第4回 Lumierの日本選手権レポート
ユーザー記者 Lumier

決勝戦 高橋成典プロ VS 安田一成プロ


長澤杯の余韻に浸りつつ、スクリーン裏の決勝トーナメント会場へ。
TCGは、本質的には遊戯であるため、長澤杯や赤王戦といった、娯楽的な演出によくなじむ。しかし、遊戯も極めれば技となる。技があるならその道の熟達者、即ちプロがいる。更にその中から選びに選び抜かれた二名が雌雄を決するのである。筆者はただの傍観者に過ぎぬのだが、それでも、緊張を覚えてしまう。
間をもたせるような前置きはこのくらいにして、いよいよ決勝戦をご覧いただきたいと思う。


※注 棋譜に関して


1.略号一覧

P=プラン
Z=ゾーン
エネ=エネルギー
P作成=プランゾーン作成
P更新=プランゾーン更新

なお、P作成、P更新により表向きになったカードに関しては、「P作成→○○」のように表記する。

2.スクエアの表記に関して

 後攻
1 2 3
4 5 6
7 8 9
 先攻

ベースのプレイ位置は、バトルスペースのスクエアの表記を用いて記す。
例:「1−4−7のラインに【天使たちの踊る針】プレイ」

3.一度出たカード名に対しては、適宜略称ないし通称を用いる。
4.メモがとれていず、実際の状況が分らなかった部分に関しては、(メモ紛失)と表記する。
5.「放棄」は、原則アクティブプレイヤーのもののみを書く。ただし、スタックが多く積まれて、書くと逆に分かりづらくなると判断される場合には、省略する。
6.主語のない行動はアクティブプレイヤーのもの。また、行動者が変わる場合には主語を明示する。
7.呼声ユニットをコストとしてフリーズしても、その旨は明記しない。
8.何かのスタックが解決される前に行われる行動の表現には、「スタックして」という言葉を用いる。
9.時には正式でない用語や、説明のない略号を使うこともあるが、意味は雰囲気により察して頂きたい。
10.以上は原則であり、場所によってはこれらに逸するものがあることをご容赦頂きたい。

 

1本目 先攻:安田プロ 後攻:高橋プロ

もう何度目になるだろうか、「幽霊屋敷」と「ドラゴンパーティー」の対戦である。もっとも、デッキ分布表を見れば、上記2つのデッキの組み合わせを使うプレイヤーが最多であったと予想できる。「幽霊屋敷」vs「ドラゴンパーティー」の対戦を多く見るのも道理である。

1T(安田プロ)【海洋到達不能極】をエネに。P作成→【濃霧の魔氷フォッグ】。放棄。
2T(高橋プロ)【イビルアイ・ドライバー】をエネに。放棄。
3T(安田プロ)【フォッグ】をエネに。P作成→【フェアウェル・パーティー】。放棄。
4T(高橋プロ)【陽気な墓場】をエネに。P作成→【陽気な幽霊屋敷】。放棄。
5T(安田プロ)【ホリプパーティー】をエネに。P作成→【センチネル・センチピード】。P更新→【変幻獣バブルドラゴン】。放棄。
6T(高橋プロ)【幽霊屋敷】をエネに。P作成→【陽気な森】。PZの【森】を3−6−9のラインにプレイ。放棄。
7T(安田プロ)【バブルドラゴン】をエネに。P作成→【ホリプパーティー】。P更新→【サイバー・チェイス】。PZの【チェイス】プレイ。解決。【妖魔の勇者】がPZとして表向きになる。放棄。
8T(高橋プロ)【花束を捧げる乙女】をエネに。P作成→【犬闘士テリア】。PZの【テリア】を3にプレイ。放棄。
9T(安田プロ)【バードマン・ソウル】をエネに。P作成→【カオスビースト・ナインテイル】。PZの【ナインテイル】を9にプレイ。放棄。
10T(高橋プロ)【森】をエネに。P作成→【犬闘士ケルベロス】。P更新→【レディ・ララバイ】。P更新→【墓場】。PZの【墓場】を1−4−7のラインにプレイ。放棄。
11T(安田プロ)【バドソ】をエネに。P作成→【ナインテイル】。P更新→【大地の塔】。PZの【大地の塔】を2−5−8のラインにプレイ。放棄。
序盤の動きも最早見慣れたものだろう。静かな「幽霊屋敷」に対し、「ドラゴンパーティー」側は【大地の塔】を張って、エネ加速の準備。ただ、今回は高橋プロが【テリア】を出している。【テリア】を出された後に、安田プロ、プランから【ナインテイル】を持ってくる。エネ破壊は決まらないはずだが、安田プロ、これを【テリア】の正面にためらいなくプレイ。なぜか?その意図はすぐに判明する。

12T(高橋プロ)【墓場】をエネに。P作成→【失恋の痛み】。PZの【失恋】プレイ。解決。【サンダー・ジャッカル】×2、【大巨人コスモクエイク】【ホリプパーティー】【勇者】より【コスモクエイク】を墓地へ。P作成→【ララバイ】。放棄。
13T(安田プロ)【勇者】をエネに。P作成→【パラドクス・ストーム】。P更新→【深淵竜エメラルドティアー】。9の【ナインテイル】を6→3へ移動させる。3の【テリア】とバトル。解決。3の【テリア】が墓地へ。放棄。高橋プロ、【テリア】を3にプレイ。3の【ナインテイル】とバトル。解決。3の【ナインテイル】が墓地へ。放棄。
14T(高橋プロ)【ドライバー】をエネに。P作成→【ケルベロス】。放棄。
15T(安田プロ)【ジャッカル】をエネに。P作成→【エメラルドティアー】。P更新→【食物の連鎖】。PZの【食物】プレイ。解決。P作成→【エメラルドティアー】。放棄。
16T(高橋プロ)【ララバイ】をエネに。放棄。
17T(安田プロ)【食物】をエネに。P作成→【妖精竜スターフルーツ】。放棄。高橋プロ、【ケルベロス】を1にプレイ。安田プロ、PZの【スタフル】を9にプレイ。放棄。

13ターン目、安田プロのターン、【ナインテイル】【テリア】を踏む。【テリア】がいては【勇者】【スターフルーツ】も決まらない。多少無理してでも除去しておきたいところである。先ほどの【ナインテイル】空展開はそういうことだったのだ。しかし、高橋プはその上を行く。奥まで突っ込んできた【ナインテイル】にもう1枚の【テリア】をぶつけ、【ナインテイル】を踏み返す。見ごたえのある掛け合いだ。
高橋プロ、8エネたまったところで、【ケルベロス】を繰り出す。安田プロは、プランから来た【スターフルーツ】を出すも、【テリア】の効果によりユニットが出せない。レポートを書く方からすれば楽でいいが、安田プロとしては辛いところだろう。

18T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【犬闘士チワワ】【テリア】をフリーズさせて1の【ケルベロス】を4に置く。放棄。
19T(安田プロ)【大地の塔】をエネに。9の【スターフルーツ】を6へ移動させる。放棄。6の【スターフルーツ】でスマッシュ。
20T(高橋プロ):エネセットなし。【テリア】をフリーズさせて4の【ケルベロス】を7に置く。放棄。7の【ケルベロス】でスマッシュ。
21T(安田プロ):エネセットなし。放棄。高橋プロ、【ナイト・ベア】を1にプレイ。【ナイトベア】の誘発効果の対象は6の【スターフルーツ】。解決。6の【スターフルーツ】が墓地へ。安田プロ、P作成→【チェイス】。PZの【チェイス】プレイ。解決。【バドソ】がPZとして表向きになる。PZの【バドソ】プレイ。【粉雪の魔氷パウダースノー】がPZとして表向きになる。PZの【パウダースノー】を7にプレイ。7の【ケルベロス】とバトル。解決。7の【パウダースノー】が墓地へ。【ケルベロス】の誘発効果により2−5−8のラインの【大地の塔】が墓地へ。【勇者】を7にプレイ。7の【ケルベロス】とバトル。解決。7の【勇者】【ケルベロス】が墓地へ。放棄。
22T(高橋プロ):エネセットなし。1の【ナイトベア】を4へ移動させる。放棄。安田プロ、【ホリプパーティー】プレイ。解決。放棄。【コスモクエイク】を4にプレイ。4の【ナイトベア】とバトル。解決。4の【ナイトベア】【コスモクエイク】が墓地へ。放棄。安田プロ、【センチ】をデッキに戻してシャッフルする。

高橋プロは、自ターンに入り、【ケルベロス】【テリア】を使って移動させるのみでターンを終える。これで、いつでもスマッシュできる状態になった。
安田プロは、【スターフルーツ】を前進させてスマッシュ。恐らく他にできることがなかったのだろうが、これにより、高橋プロ、【ケルベロス】を奥まで進めてスマッシュ。【スターフルーツ】【ナイトベア】で除去。反撃モードに入る。安田プロ、なんとかユニットをぶつけて【ケルベロス】を倒すも、【大地の塔】を割られては苦しい。と言うより、残りデッキ枚数が心もとない。そろそろ【マジョリティ】が心配である。

23T(安田プロ):エネセットなし。P作成→【センチ】。PZの【センチ】を8にプレイ。【センチ】の誘発効果の対象は3の【テリア】。解決。3の【テリア】が高橋プロの手札へ。放棄。高橋プロ、【失恋】プレイ。【バブルドラゴン】【ジャッカル】【スターフルーツ】【エメラルドティアー】×2、【フォッグ】より【バブルドラゴン】を墓地へ。放棄。
24T(高橋プロ)【ギガンティック・スカルドラゴン】をエネに。放棄。
25T(安田プロ)【エメラルドティアー】をエネに。放棄。
26T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【サイレント・マジョリティ】。安田プロ、投了により高橋プロ勝利。

いくら【マジョリティ】が心配とはいえ、うかつに攻めては【幽霊屋敷】起動で一気に除去されてしまう。態勢を整えてからとしたいところだが、ドローを多く行い、【食物】も決めているので、デッキ枚数はそろそろ5枚になろうかといったところ。
そして、5枚になったところで、高橋プロのプラン1発目は【マジョリティ】。高橋プロの勝利となった。
恐らくプランから来なくても、手札に握っていただろうし、手札に握っていなくても、いずれ引くのだから、結果に変わりはなかったろう。どうやら、「幽霊屋敷」の方が、「ドラゴンパーティー」に対しては分が良いようである。

2本目 先攻:安田プロ 後攻:高橋プロ

「幽霊屋敷」と「時計」デッキの対戦。予告させていただくが、この対戦は36ターンかかっている。棋譜を追っていくと大変なことになるので、概要をまず読むことをお勧めする。

1T(安田プロ)【墓場】をエネに。放棄。
2T(高橋プロ)【貪欲時計デーモンガスト】をエネに。放棄。
3T(安田プロ):エネセットなし。放棄。
4T(高橋プロ)【絶望の連鎖】をエネに。P作成→【絶望】。放棄。
5T(安田プロ)【ララバイ】をエネに。P作成→【失恋の痛み】。放棄。
6T(高橋プロ)【封印】をエネに。P作成→【悪運時計ハードラック】。PZの【ハードラック】を2にプレイ。放棄。
7T(安田プロ)【幽霊屋敷】をエネに。P作成→【神々の雷】【失恋】プレイ。解決。【ハードラック】【デ−モンガスト】【シルバーワイズ・ドラゴン】【絶望】【ペット・セメタリー】より【シルバーワイズ】を墓地へ。放棄。
8T(高橋プロ)【ハードラック】をエネに。P作成→【ステルス・スナイパー】。P更新→【肉食時計ビッグマウス】。放棄。
9T(安田プロ)【犬闘士フェンリル】をエネに。P作成→【チワワ】。PZの【チワワ】を7にプレイ。放棄。高橋プロ、【セメタリー】を3−6−9のラインにプレイ。放棄。
10T(高橋プロ)【ハードラック】をエネに。P作成→【絶叫時計スクリーム・ハイ】。放棄。
11T(安田プロ)【ギガンティック・スカルドラゴン】をエネに。P作成→【森】。PZの【森】を1−4−7のラインにプレイ。放棄。高橋プロ、【セメタリー】の効果を起動させる。安田プロ、手札より【墓場】【雷】を墓地へ。放棄。
12T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【シルバーワイズ】。2の【ハードラック】を5→4→7へ移動させる。7の【チワワ】とバトル。解決。7の【チワワ】と7の【ハードラック】が墓地へ。放棄。高橋プロ、【ステルス】をデッキに戻してシャッフルする。
13T(安田プロ):(メモ紛失)をエネに。P作成→【テリア】。P更新→【チワワ】。PZの【チワワ】を7にプレイ。放棄。
14T(高橋プロ)【ハードラック】をエネに。P作成→【呪われた館】。PZの【館】を2−5−8のラインにプレイ。放棄。
15T(安田プロ)【ケルベロス】をエネに。P作成→【サイレント・ナイト】【マジョリティ】プレイ。解決。放棄。

3ターン目、安田プロは、早くもエネルギーを置かないことを宣言。流石に早すぎる感もあるが、手札にあるカードが全て有効なカードであると判断すれば、妥当なところであろう。何しろ相手はコントロールデッキ、急ぐ必要は全くないのだから。「序盤は必ずエネを置く」というのは最早常識であるが、常識に固執してもいけない。自分でそれが正しいと判断したなら、常識を破ることも必要なのだ。
安田プロ、プランより【チワワ】を出すも、これはあっさりと【ハードラック】で踏まれてしまう。「時計」デッキ相手ではいた仕方あるまい。いずれにせよ、プランからの【ドライバー】【ステルス】で除去されてしまうので、安田プロとしても多大な期待は抱いていなかったと思われる。
14ターン目、高橋プロ、プランから【呪われた館】を張ることに成功。ここからジワジワとアドバンテージを得ていくのかと思いきや、返しで安田プロは【マジョリティ】をプレイ。さぁ、面白い展開になってきた。
なお、12ターン目、高橋プロは、安田プロのターンになる前に、【ステルス】をデッキに戻している。これは、次のターンで、安田プロのエネが6になり、【マジョリティ】が使用できるようになることを見越しての行動である。デュエルとは感じるのではなく、考えてやるものである。

16T(高橋プロ)【ステルス】をエネに。【ビッグマウス】を2にプレイ。【ビッグマウス】の効果起動、X=4。墓地の【シルバーワイズ】を2に置く。安田プロ、手札より(メモ紛失)を墓地へ。放棄。高橋プロ、【ステルス】をデッキに戻してシャッフルする。
17T(安田プロ)【サイレントナイト】をエネに。P作成→【ナイトベア】。P更新→【サイレントナイト】。P更新→【サイレントナイト】。放棄。高橋プロ、【シルバーワイズ】の効果起動。コストとして安田プロの墓地の【テリア】を除外。放棄。
18T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【終末時計ジ・エンド】。PZの【ジエンド】を1にプレイ。放棄。
19T(安田プロ)【サイレントナイト】をエネに。P作成→【ドライバー】。PZの【ドライバー】を8にプレイ。【ドライバー】の誘発効果の対象は2の【シルバーワイズ】。高橋プロ、スタックして【シルバーワイズ】の効果起動、コストとして安田プロの墓地の【ナイトベア】【チワワ】を除外。解決。8の【シルバーワイズ】が墓地へ。安田プロ、P作成→【マジョリティ】。放棄。
20T(高橋プロ)【絶望】をエネに。1の【ジエンド】を4へ移動させる。放棄。4の【ジエンド】でスマッシュ。
21T(安田プロ)【マジョリティ】をエネに。P作成→【溺愛の魔煙ラバー】。PZの【ラバー】を6にプレイ。6の【ジエンド】とバトル。解決。4の【ジエンド】【ラバー】が墓地へ。【ラバー】の誘発効果により墓地より【雷】を手札に加える。放棄。高橋プロ、【スクリームハイ】を2にプレイ。放棄。

高橋プロ、【ビッグマウス】【館】ラインに置き、そのまま破棄して【シルバーワイズ】を呼び出す。ハンデスしつつ【シルバーワイズ】。いい動きである。結局【ドライバー】で除去されることになるが、きちんと安田プロの墓地のユニットを除外したので、役目は果たしたと言えるだろう。
続いて高橋プロはジエンドでスマッシュを始めるも、これはプランからの【ラバー】で落とされ、【雷】を回収されてしまう。【ラバー】を警戒して動かずにいては、やがて【マジョリティ】を喰らって負けてしまう。これは仕方のないところ。ただ、【ラバー】は1枚しか入っていない上に、除外できることがほぼ約束されている。決して悪い交換ではない。
【ジエンド】【ラバー】で討ち取られた後、高橋プロは【スクリームハイ】をプレイ。攻める手を緩めない。

22T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【ビッグマウス】。PZの【ビッグマウス】を1にプレイ。P作成→【デビルクロック・タクティクス】。放棄。安田プロ、【雷】プレイ。対象は2−5−8のラインの【館】。高橋プロ、スタックで【ハードラック】を5にプレイ。解決。安田プロ、【館】の効果で【花束】を手札より墓地へ。【館】が墓地へ。放棄。安田プロ、【花束】をデッキに戻してシャッフルする。
23T(安田プロ):エネセットなし。P作成→【幽霊屋敷】。PZの【幽霊屋敷】を2−5−8のラインにプレイ。放棄。
24T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【ジエンド】。PZの【ジエンド】を1にプレイ。放棄。
25T(安田プロ):エネセットなし。P作成→【花束】。PZの【花束】を9にプレイ。【花束】の誘発効果の対象は安田プロのスマッシュゾーンのカード。解決。安田プロのスマッシュゾーンのカードが墓地へ。放棄。
26T(高橋プロ)【デーモンガスト】をエネに。P作成→【ノヴァ・コマンド】。放棄。
27T(安田プロ):エネセットなし。放棄。高橋プロ、【ビッグマウス】の効果起動。X=4。解決。【シルバーワイズ】が1に置かれる。放棄。高橋プロ、【シルバーワイズ】の効果起動、コストとして安田プロの墓地の【ラバー】を除外。安田プロ、P作成→【ララバイ】。放棄。
28T(高橋プロ):エネセットなし。1の【ジエンド】を4へ移動させる。放棄。4の【ジエンド】でスマッシュ。

安田プロ、手にした【雷】で早速目障りな【館】を割る。スタックでハンデスをくらうも、落としたのは【花束】。その後、デッキへと回収され、プランゾーンに戻ってくるあたりが素晴らしい。
高橋プロ、スマッシュを割られるも、【ジエンド】【シルバーワイズ】を再び並べ、【ジエンド】でスマッシュしにいく。今度は【スクリームハイ】の効果でパワー6500。【ラバー】のない「幽霊屋敷」では、落としにくいサイズである。

29T(安田プロ)【幽霊屋敷】をエネに。P作成→【失恋】。PZの【失恋】プレイ。【火事場泥棒】【スクリームハイ】【ビッグマウス】【ハードラック】【デーモンガスト】より【スクリームハイ】を墓地へ。P作成→【ナイトベア】。放棄。
30T(高橋プロ):P作成→【館】。放棄。4の【ジエンド】でスマッシュ。
31T(安田プロ)【テリア】をエネに。P作成→【ドライバー】。9の【花束】を6へ移動させる。PZの【ドライバー】プレイ。誘発効果の対象は4の【ジエンド】。解決。4の【ジエンド】が墓地へ。放棄。高橋プロ、【館】を3−6−9のラインにプレイ。放棄。高橋プロ、【ハードラック】を6にプレイ。6の花束とバトル。安田プロ、バトル中に【雷】プレイ。対象は【館】。解決。【館】が墓地へ。バトル解決。6の【花束】【ハードラック】が墓地へ。放棄。高橋プロ、【シルバーワイズ】の効果起動、コストとして安田プロの墓地の【花束】を除外。安田プロ、8の【ドライバー】を5へ移動させる。放棄。

ただ、いくらパワーが高いといっても、所詮は4コストユニット。プランよりの【ドライバー】で落とされてしまった。
ここまで書いてきていなかったが、実は、安田プロのユニットが並んできている。【ドライバー】を出したことにより、自軍エリアに【チワワ】【ドライバー】2体が並び、【花束】を中央に進めている状態。高橋プロが下手をうてば、一気に詰める事も可能だろう。もっとも、そんなことがそうそう起こるはずもないが…。
安田プロ、ユニットを1体ずつ進めてスマッシュしにいくも、討ち取られた後で【シルバーワイズ】で除外されてしまうのが辛いところ。

32T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【セメタリー】。PZの【セメタリー】を2−5−8のラインにプレイ。P作成→【ハードラック】。PZの【ハードラック】を5にプレイ。5の【ドライバー】とバトル。解決。5の【ドライバー】【ハードラック】が墓地へ。高橋プロ、【シルバーワイズ】の効果起動、コストとして安田プロの墓地の【ドライバー】を除外。放棄。
33T(安田プロ):エネセットなし。9の【ドライバー】を6へ移動させる。放棄。6の【ドライバー】でスマッシュ。
34T(高橋プロ):エネセットなし。P作成→【デビルクロック・タクティクス】。放棄。安田プロ、【ララバイ】を9にプレイ。放棄。安田プロ、【墓場】を3−6−9のラインにプレイ。放棄。
35T(安田プロ):エネセットなし。【失恋】プレイ。高橋プロ、スタックして【デーモンガスト】を6にプレイ。6の【ドライバー】とバトル。解決。6の【ドライバー】【デーモンガスト】が墓地へ。解決。【ビッグマウス】【ノヴァ・コマンド】【火事場】【ステルス】より【ノヴァ・コマンド】を墓地へ。【ララバイ】を6→3へ移動させる。【ケルベロス】を8にプレイ。7の【チワワ】をフリーズさせて5へ置く。高橋プロ、スタックして5に【ステルス】プレイ。放棄。5の【ケルベロス】と3の【ララバイ】でスマッシュ。
36T(高橋プロ):エネセットなし。1の【シルバーワイズ】を4へ移動させることを宣言、安田プロ、スタックで【幽霊屋敷】の効果起動。高橋プロ、スタックで【シルバーワイズ】の効果起動、6体のユニットを墓地より除外。解決。2の【スクリームハイ】が墓地へ。高橋プロ、投了により安田プロ勝利。

高橋プロ、手札を大量に抱えているとはいえ、既に【デーモンガスト】を3枚引いてしまっている上、【ハードラック】が枯れつつある状況。このままジワジワと攻められると、陥落しかねない状況である。
安田プロ、優勢を悟ったか、35ターン目、【ララバイ】を奥まで進め、【ケルベロス】まで出してスマッシュ。エネルギーがフルフリーズとなってしまうものの、あと1歩のところまで高橋プロを追い詰める。
迎えた36ターン目、あと2スマッシュ入れれば勝ちという状況であるが、合体ベースを揃えられ、しかもユニットに制圧されている状況では流石に難しい。【シルバーワイズ】を1歩進めてみるも、【幽霊屋敷】を起動され、【ララバイ】の効果と合わせて【スクリームハイ】が溶ける。自らの勝ちはないと判断した高橋プロ、投了により、安田プロ勝利となった。

さて、このような書き方をすると、安田プロの勝ちは揺るがなかったように見えるかもしれないが、実は、高橋プロ、36ターン目に勝つことが可能だった。以下に再現図を乗せる。なお、先攻である安田プロから見た図となっているので、ご了承いただきたい。


○○ラ
ワケ○
チ○○
セ:高橋プロの【セメタリー】
ワ:高橋プロの【シルバーワイズ】
ラ:安田プロの【ララバイ】
チ:安田プロの【チワワ】
ケ:安田プロの【ケルベロス】

安田プロのデッキは残り3枚、墓地に墓地効果ユニットは居ず、エネルギーもフルフリーズであるため、2スマッシュ入れれば勝利である。【シルバーワイズ】前進にスタックで【幽霊屋敷】を起動され、【スクリームハイ】は落ちてしまった。生き残ったとはいえ、【シルバーワイズ】の残りパワーは500。【チワワ】を踏むことはさすがに不可能…。
というのはウソである。エリアを移動したことで、【シルバーワイズ】のパワーは2500。あと3回能力を起動すれば、【チワワ】を踏むことは可能である。既に6体除外したとはいえ、墓地にユニットが2体以下ということもあるまい。たとえ2体以下だったとしても、何かしら中央投下して墓地を肥やせば済むだけの話である。
というわけで、高橋プロ、手痛いミスにより勝利を逃してしまったわけだが、200万円がかかる勝負、なおかつこれまでも数々のプレッシャーのかかる試合をこなしてきたプレイヤーに、ミスをするなという方が無理な話である。ミスを責めるのは簡単であるが、決勝トーナメントの決勝戦であるという事実を忘れてはならない。

3本目 先攻:安田プロ 後攻:高橋プロ

高橋プロ、後攻を選択。因みに、この時点では、高橋プロ、プレイミスで勝負を落としたことに気がついていなかった。
これはむしろ幸運だったろう。200万円のかかった勝負をプレイミスで落としたことに気づいてしまったとしたら…常人であれば、正気ではいられまい。
デッキはお互いにAを選択。安田プロからすれば、高橋プロがA、Bどちらを選んできても、「幽霊屋敷」では不利であり、「ドラゴンパーティー」を選ばざるを得なかった。恐らくそこまで読んでの高橋プロの「幽霊屋敷」選択である。インタヴューしたわけではないが、両者のデッキ選択の経緯は、上記のようなものと推測される。

1T(安田プロ)【ナインテイル】をエネに。P作成→【フォッグ】。放棄。
2T(高橋プロ)【ケルベロス】をエネに。放棄。
3T(安田プロ)【フォッグ】をエネに。P作成→【コスモクエイク】。放棄。
4T(高橋プロ)【マジョリティ】をエネに。P作成→【ドライバー】。P更新→【チワワ】。放棄。
5T(安田プロ)【ホリプパーティー】をエネに。【大巨人クレーター・メーカー】を5にプレイ。解決。高橋プロ、誘発効果によりエネZの【ケルベロス】を墓地へ。
6T(高橋プロ)【ララバイ】をエネに。【失恋】プレイ。安田プロの手札の(メモ紛失)より【大地の塔】を墓地へ。
7T(安田プロ)【不能極】をエネに。P作成→【ホリプパーティー】。P更新→【フォッグ】。P更新→【バブルドラゴン】。PZの【バブルドラゴン】を7にプレイ。放棄。
8T(高橋プロ):(メモ紛失)をエネに。【チワワ】を3にプレイ。放棄。
9T(安田プロ)【バドソ】をエネに。P作成→【コスモクエイク】。放棄。
10T(高橋プロ)【フェンリル】をエネに。P作成→【ナオ】。P更新→【ドライバー】。放棄。
11T(安田プロ)【ナインテイル】をエネに。P作成→【ホリプパーティー】。放棄。
12T(高橋プロ)【マジョリティ】をエネに。P作成→【雷】。P更新→【墓場】。PZの【墓場】を1−4−7のラインにプレイ。放棄。
安田プロ、5ターン目には【クレーター】を決めるも、返しで【失恋】により【大地の塔】を抜かれ、エネ加速手段を失う。
更に高橋プロは、【チワワ】を出し、安田プロのデッキのおよそ1/5を無効化する。これは完封モードか?

13T(安田プロ):(メモ紛失)をエネに。【コスモクエイク】を9にプレイ。高橋プロ、エネZの(メモ紛失)を墓地へ。放棄。
14T(高橋プロ)【ギガンティック】をエネに。P作成→【墓場】。放棄。
15T(安田プロ):エネセットなし。P作成→【エメラルドティアー】。放棄。高橋プロ、【ナイトベア】を1にプレイ。【ナイトベア】の誘発効果の対象は9の【コスモクエイク】。解決。9の【コスモクエイク】が墓地へ。安田プロ、【コスモクエイク】を9にプレイ。高橋プロ、エネZの(メモ紛失)を墓地へ。放棄。

相性が悪いとはいえ、使い込んだデッキ、無策であるはずもない。【コスモクエイク】をプレイし、更にエネ破壊を進める。【ナイトベア】で除去されるも、再度手札より【コスモクエイク】を繰り出す。エネ加速できていないとはいえ、エネ破壊ができれば、相対的にはエネ加速と同じである。

16T(高橋プロ):(メモ紛失)をエネに。P作成→【幽霊屋敷】。PZの【幽霊屋敷】を2−5−8のラインにプレイ。1の【ナイトベア】を4へ移動させる。放棄。4の【ナイトベア】でスマッシュ。
17T(安田プロ)【スターフルーツ】をエネに。P作成→【勇者】【コスモクエイク】を8へ移動させる。高橋プロ、エネZの【ドライバー】を墓地へ。放棄。

高橋プロは、ナイトベアを進め、早くもスマッシュ。ついたエネ差を更に助長するかのようなプレイングだが、恐らく【ナイトベア】を墓地に落とすか手札に戻すかさせたかったのではないかと考えられる。安田プロは、【ナイトベア】には目もくれずにエネ破壊を進める。【ナイトベア】を除去するのはエネ破壊しつくしてからで十分なのだ。

18T(高橋プロ)【サイレント・ナイト】をエネに。P作成→【フロッグナイト・タクティクス】。P更新→【花束】。P更新→【ケルベロス】。放棄。4の【ナイトベア】でスマッシュ。高橋プロ、【ドライバー】をデッキに戻してシャッフルする。
19T(安田プロ)【ホリプパーティー】をエネに。【コスモクエイク】を9へ移動させることを宣言。高橋プロ、スタックして3−6−9のラインに【森】プレイ。解決。【幽霊屋敷】を起動させる。解決。7の【バブルドラゴン】、8の【コスモクエイク】が墓地へ。安田プロ、P作成→【勇者】。PZの【勇者】を8にプレイ。放棄。
20T(高橋プロ):(メモ紛失)をエネに。P作成→【テリア】。PZの【テリア】を1にプレイ。放棄。4の【ナイトベア】でスマッシュ。

高橋プロのデッキには、【真夜中のダンスパーティー】は入っておらず、【ナイトベア】は2枚積みのため、【コスモクエイク】を対処できるとすれば、あと1枚の【ナイトベア】か、あるいは合体ベースを揃えるしかない。高橋プロの巡りがかみ合わなければ、このままエネを破壊しつくすことも可能だったろうが、現実は非情なもので、合体ベースをそろえられ、【バブルドラゴン】ともども溶かされてしまう。そして、その間も着々とスマッシュを続ける【ナイトベア】。気づけば、安田プロのスマッシュは既に3点である。

21T(安田プロ):エネセットなし。P作成→【パウダースノー】。PZの【パウダースノー】を1にプレイ。P作成→【大地の塔】。PZの【大地の塔】を2−5−8のラインにプレイ。P作成→【センチ】。PZの【センチ】を4にプレイ。4の【ナイトベア】とバトル。解決。4の【センチ】【ナイトベア】が墓地へ。【センチ】の誘発効果の対象は3の【チワワ】。解決。3の【チワワ】が高橋プロの手札へ。放棄。高橋プロ、【テリア】を3にプレイ。

21ターン目、安田プロのプランのかみ合い方が素晴らしい。【パウダースノー】【大地の塔】【センチ】ときて、見事にエネルギーを使いきる。高橋プロ、【ナイトベア】【チワワ】も除去され、残るユニットは【テリア】のみ。一応【テリア】を追加するも、安田プロ側には【勇者】【大地の塔】が残っている。そろそろエネ破壊も響いてくる頃、このままでは攻め切れないどころか逆転負けも…おや?

22T(高橋プロ):(メモ紛失)をエネに。1の【テリア】を4→7へ移動させる。3の【テリア】を6→9へ移動させる。放棄。安田プロ、投了により高橋プロ優勝。

何が起こったかお分かりだろうか。
【テリア】2体が奥まで突っ込めば、一気に4スマッシュ。勿論【勇者】なぞ関係がない。D0における最優先目的は、相手を敗北条件に至らしめることである。相手のユニットを除去しきったり、大型ユニットを沢山出して制圧することではない。こういった記事を読むような方には釈迦に説法だろうが、興味本位で覗いてみてしまった、始めて間もない初心者の方には、このことを助言として受け取って頂きたい。
何はともあれ、これにて2007年の日本選手権の決着がついたわけである。セカンド・センチュリーを締めくくるにふさわしい熱戦だったと思う。

以上で、私の日本選手権決勝レポートを終わらせていただきます。
今回は、執筆時間があまり取れず、見直しの時間を十分にとることができませんでした。なので、色々と間違い等あるかもしれません。この場でお詫び申し上げます。
セカンド・センチュリー最後の大型大会ということで、実に色々なデッキが飛び交いましたが、上位に残ったのは主に「幽霊屋敷」と「ドラゴンパーティー」。同じようなデッキばかり、とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、個々の構築をよく見てみると、いずれも個性的で、全く同じ構成のデッキは一つとしてありません。当然、使用者によってプレイングも違ってきますので、そのあたりも見てくだされば、幸いです。
今回、トーナメントを見ていて思ったのは、いずれのプレイヤーも、決勝に残るだけの十分な理由を有しているな、ということ。皆様の上達をお祈りすると共に、このまま、観戦者常連の汚名を着させられないよう、私自身も精進したいと思います。
では、皆様、縁あらばGPツアー仙台でお会いしましょう!!

                     
アムルイを当てて小躍りしつつ
  Lumier
   
≫日本選手権2007決勝戦の映像はこちらから
◆D-0日本選手権決勝戦【前編】
◆D-0日本選手権決勝戦【後編】



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