第3回 デッキ解説編
OPGP札幌に引き続いての勝手な上位入賞デッキ解説になります。
今回はOPGP熊本にて、5位入賞を果たした高橋プロが使用し、猛威を振るった青緑デッキの解説をさせていただきます。
今回も前回同様、高橋プロ自身が解説したものではなく、スタッフの独断と偏見において解説されたものであることをご了承下さい。



<デッキの動かし方 その1>
このデッキには、決まれば勝ちとも言える必勝パターンに近いコンボがあります。
それは、「妖魔の勇者」が場に居る状態で「深淵竜エメラルドティアー」の効果を連発して、相手のエネルギーを全てフリーズさせることです。
「妖魔の勇者」が中央ラインの中央エリアに居る時に「深淵竜エメラルドティアー」が移動すれば、相手のユニットの配置次第では、一気に相手のエネルギーを6エネルギーフリーズさせることも可能です。
また、それだけではありません。「妖魔の勇者」が中央ラインの中央エリアに居ない場合でも、意外と簡単にこの「相手のエネルギーを全てフリーズさせる」という必勝パターンに持ち込むことができます。

具体的にどういうことかというと、「深淵竜エメラルドティアー」の効果でユニットを動かした結果、「妖魔の勇者」に隣接したスクエアに相手のユニットが置かれた場合に「妖魔の勇者」の効果が起動するのはもちろんですが、元から「妖魔の勇者」と隣接したスクエアに相手のユニットが居る状態で、「深淵竜エメラルドティアー」の効果が起動した結果、相手のユニットと「妖魔の勇者」が改めて隣接したスクエアに置かれた場合にも「妖魔の勇者」の効果が誘発するのです。
そのため、「深淵竜エメラルドティアー」が2、3回移動するだけで、相手の全エネルギーをフリーズしたままにすることすら可能となります。
もちろん、本来であればそう簡単に「妖魔の勇者」「深淵竜エメラルドティアー」を揃えることはできませんし、仮にできたとしても何歩も移動するのは難しいところです。

しかし、このデッキにはそれを可能にするだけのギミックが満載されているのです。


まず、「大地の塔」です。
単体ではそこまで脅威には感じないかもしれませんが、「スキップするフェアリー」との相性が抜群です。「大地の塔」ラインの中央エリアに「スキップするフェアリー」をプレイするだけで、3コストもエネルギーが増えます。また、「粉雪の魔氷パウダースノー」「雫の魔氷ドロップス」といった低コストユニットとの相性もかなり良いです。プランからめくれた1コストユニットを中央エリアにプレイするだけでエネルギーが増えるため、気が付くと凄い総エネルギーになります。

エネルギーが増えてもそれだけならば、意味がありません。それを最大限に生かしてこそ、エネルギーを増やした価値が出てきます。そしてこのデッキには、この膨大に増えたエネルギーをアドバンテージへと一気に変えるカードが満載されています。「変幻獣バブルドラゴン」「フェアウェル・パーティー」がその筆頭ですが、アドバンテージの取り方は様々ですので、順を追って見ていきましょう。

・「変幻獣バブルドラゴン」
このカードの能力、「あなたは自分のエネルギーゾーンにある使用コストX以下の種族「ドラゴン」のユニットを1枚選び、このカードがあったスクエアにリリース状態で置く。」というのは強烈です。「妖精竜スターフルーツ」「深淵竜エメラルドティアー」といった強力なユニットをエネルギーゾーンから出すことができ、コンボパーツを揃えることに役立つのはもちろん可能です。しかも「大地の塔」ラインで能力を起動すれば、「変幻獣バブルドラゴン」自体もエネルギーゾーンに行くため、総エネルギーを減らすことなく能力を起動することができます。
しかも擬似的に、生命の門のような使い方もできます。手札に「変幻獣バブルドラゴン」があれば、場に出して能力を起動して「深淵竜エメラルドティアー」を場に出せば、「深淵竜エメラルドティアー」自身の能力でさらに移動するので、10コストでリリース状態の「深淵竜エメラルドティアー」を中央エリアへと送り込むことができます。

・「フェアウェル・パーティー」
このデッキではその性質上、エネルギーが膨大になります。そのため、5コストは意外と軽いコストになります。つまり、総エネルギーが8しかないときにこのカードを使っても3エネルギー分得するだけですが、15エネルギーあるときに使えば10エネルギー得することになるのです。このことは、コンボを決めたり、8コストの大型ユニットを並べたりする際に絶大な効果を発揮します。
例えば、15エネルギーあるときに手札から「変幻獣バブルドラゴン」を出して能力を起動し、「深淵竜エメラルドティアー」を場に出したとしましょう。
本来ならば残りは5エネルギーで1回移動するのが精一杯ですが、ここで「フェアウエル・パーティー」を使えばさらに15エネルギーを使えます。そのため、「深淵竜エメラルドティアー」は5回移動できることになり、場に「妖魔の勇者」がいれば簡単にコンボを決めることができます。
そして一度コンボを決めてしまえば、相手はほとんど何もすることができず、次のターンにはまた15エネルギーを使って、相手のエネルギーをフリーズすることができるため、まるで相手のターンが無いかのようになり、「ずっと俺のターン!」と言わんばかりの状態になります。そうなれば、ほぼ確実に勝利を手にすることができます。

・「妖精竜スターフルーツ」
エネルギーに置いておいた「深淵竜エメラルドティアー」「妖魔の勇者」を出すことができるのはもちろんのこと、「幸せはすぐ近くにある」との相性も抜群です。「幸せはすぐ近くにある」でエネルギーゾーンに移動させた大型のユニットを場へと出すことができます。
また、コンボを決められなかった場合にも、このカードはかなりの活躍を見せてくれます。

・「幸せはすぐ近くにある」
エネルギーに置いてあったカードをプランゾーン経由で使うことができますし、墓地からエネルギーゾーンに移動させる効果は、「変幻獣バブルドラゴン」「妖精竜スターフルーツ」との相性が抜群です。また、「粉雪の魔氷パウダースノー」をプランゾーンに持っていきプレイすることで、自分のターン終了時に「粉雪の魔氷パウダースノー」を手札に持ってくることができるのもポイントです。攻守に堅実に働くカードです。
また、相手の行動を阻害するために使うということもでき、上手く使えば相手の予定を大きく狂わせることができるだけの力があります。

以上のように、エネルギー加速から始まる強力なコンボは一度決まってしまえば、そこから反撃することはほぼ不可能となるほどの威力を秘めています。
しかし、この青緑デッキのもっとも恐ろしいところは、決まればほぼ勝ちというこのコンボが全てではないところにあります。コンボが決まらなくとも、充分にこのデッキは強いのです。
次に、序盤に「大地の塔」からエネルギー加速できなかった場合の、基本的な動かし方について解説します。





<デッキの動かし方 その2>
その1では、コンボが決まることが前提の、言ってみれば予定通りきれいにデッキが動いた時の解説をしましたので、その2では「大地の塔」を序盤に貼ることができなかった場合の解説をします。

まず、序盤ですが、「粉雪の魔氷パウダースノー」「雫の魔氷ドロップス」などで場を制圧しつつ手札を整えます。相手のユニットは「雫の魔氷ドロップス」「濃霧の魔氷フォッグ」などで迎撃して凌いでいきます。もちろん、プランから出てきた「センチネル・センチピード」も強力な防御手段です。大量に積まれているそれらのカードで相手の攻撃を凌いでチャンスを待ちます。
そして「大地の塔」「流氷の大陸」をセットしたところからが勝負です。

「大地の塔」からエネルギー加速して、必勝コンボに持ち込むのがもちろん理想ではありますが、膨大なエネルギーから「妖精竜スターフルーツ」に繋げて、大型ユニットを次々と送り出すだけでも充分に強力なユニットを展開することができます。
もちろん、「妖精竜スターフルーツ」「深淵竜エメラルドティアー」「ギガント・エイリアン」などを「流氷の大陸」から直接中央エリアや敵軍エリアに送り込む戦術も当然有り得ます。「流氷の大陸」で中央エリアに優秀な大型ユニットを送り出しつつ、自軍エリアに「妖魔の勇者」を配置すれば、それだけで相手は対処に苦しむこと間違いないでしょう。
また、ベースがなかったとしても、優秀な大型ユニットを多数積んでいるため、「妖精竜スターフルーツ」は最大限の働きをしてくれますし、「ギガント・エイリアン」は相手の「流氷の大陸」を始めとするベースをバウンスすることができますし、大半の相手のユニットもバウンスすることができます。もちろん「妖魔の勇者」「深淵竜エメラルドティアー」も強力なユニットです。上手く使えば簡単に場を制圧するだけの破壊力があるでしょう。

そしてある程度エネルギーが溜まれば、「フェアウェル・パーティー」を使って、大型ユニットが移動しながら、プランから大型ユニットを展開することも現実的な手段となってきます。
大型ユニットが次々と攻め込んで行くのを防ぐのはそう簡単ではないでしょう。

また、相手に何とか凌がれてしまったとしても、「変幻獣バブルドラゴン」から一気に詰めに行くこともできます。スマッシュ2あるユニットが多数投入されているため、一撃が強力であり、ちょっとでもスマッシュできていれば簡単に「変幻獣バブルドラゴン」で詰めにいける場面まで持ち込めます。

エネルギー加速から「妖魔の勇者」「深淵竜エメラルドティアー」のコンボを決め、それがダメなら大型ユニットで制圧し、それがダメなら「流氷の大陸」から大型のユニットを送り込みます。
以上のように、この青緑デッキは「ただ上手く理想通り動けば勝てる」というデッキではなく、いかに「デッキが上手く動いてくれないという事態を防ぐか」ということまでしっかりと考えられています。勝ち筋を複数用意し、しかもそれぞれの戦い方で同じカードが活躍するようにデッキを組むことで、コンボの成功率を極力下げない形で対応力を高めたデッキなのでないでしょうか。




オープングランプリでは、賞金額決定ラウンドまで進めば、12回同じデッキで戦うことになります。グランプリだとデッキ1つあたりはその半分の6回ですが、Aデッキ、Bデッキ合せれば同じく12回です。
その中の対戦では、理想の動きをすることもあれば、全く予定通りに動いてくれないこともあるかもしれません。
そのような予定通りには行かない試合をいかにして勝ち抜くか。それとも自分のデッキは常に理想の動きをすると信じてデッキを尖らせて行くか。
どちらが正しいかは大会当日のデッキの機嫌次第ですが、この青緑デッキが上位に来た理由が、対応力の高さにあったことはおそらく間違いないでしょう。

文責:D-0中の人 村瀬



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