ディメンション・ゼロ グランプリ-2- レポート その1
遊宝洞 中村聡

1. 総括
 大阪で行われた第2回となるグランプリ。前日予選の参加希望者も全員受け入れることができ、広い会場を生かしてサイドイベントも行われるなど、グランプリ1よりさらに楽しんでいただける大会になりました。また、エキスパンション1「勝利への計略」の参入により使えるカードが1.5倍になった影響で、デッキのバリエーションも劇的に増加。1エネルギーの「特攻戦鬼韋駄天丸」から8エネルギーの「幻影王ルドルフ」までが活躍できるトーナメント・シーンを見るにつけ、どんどん面白くなるディメンション・ゼロを確信できる大会であったと思います。

 もちろん、まだまだ改善すべき点はあります。決勝トーナメントなど皆さんの注目を集める試合については、より多くの観客のみなさんが高度な試合を観戦することができ、同時にプレイヤーが周囲の状況に惑わされることなく試合に集中できるような体制を工夫していきたいと考えております。また、大会の拘束時間が長く、特にカードゲームの大会に慣れていない方が負担を感じているというご意見があります。抜本的な運営方法の見直しを含めて、少しでも短縮し皆さんが気軽に楽しめるよう努力いたします。

 皆様のお声をもとに一歩ずつグランプリをより良くしていきたいと思いますので、皆様のご指導ご協力をお願いいたします。

2. デッキ分布分析
 では、グランプリ1同様に会場のデッキ分布から。

[本選参加者]
黒緑 29.79% 「ルドルフ・ゲート」などメタの中核となった色ですね。
16.75% タッチ「ルドルフ」も含まれます。
15.25% コントロールとビートダウンに二極化されていました。
青緑 13.48% グランプリ1を制した歌劇場。最上位の方は10位でした。
赤黒 7.45% 優勝した「幽鬼コントロール」の他、ビートダウンも含まれます。
赤緑 3.55% 「全軍突撃」など赤のサポートを採用した緑が多いようです。
白緑 3.19% グランプリ1では根強い人気があったアーキタイプなのですが…。
赤青 2.48% 「全軍突撃」と青の軽い移動力に注目した攻撃的なデッキです。
その他 8.06% 今回、白いデッキはほとんどここに含まれてしまいました。
※「バードマン・ソウル」など3枚以下のタッチは色としてカウントしていません。

[色別使用率]
90.43% 右を向いても左を向いても黒ばかり。
67.38% 緑は相変わらず根強い人気です。
19.50% 「歌劇場」がエースで4番。
15.60% 「ルドルフ」対策に「全軍突撃」「トロール流砲撃術」人気が急上昇。
7.45% 黒人気、赤注目のあおりを受けた感じ。
(ご参考)
64.54% もはや第3の人気色?? 優勝者には入っていないのですが。

[決勝戦]
黒緑 4名 (うち「バードマン・ソウル」有3名)
1名 (「バードマン・ソウル」有)
1名 (「バードマン・ソウル」有)
黒赤 1名
赤緑 1名 (「バードマン・ソウル」有)

 グランプリ1が緑の大会とするならば、グランプリ2は黒い大会となりました。「シャドー・ソウル」「幽鬼の谷」を獲得し、コントロール能力とアドバンテージ獲得能力に磨きをかけた黒は、コントロール好きプレイヤーの心をがっちりと捉えたようです。とはいえ、デッキのパターンは様々です。「シャドー・ソウル」を再利用して盤面をじっくりコントロールする黒単色、小型ユニットと手札破壊でビートダウンする黒単色、緑のエネルギー加速を借りて「ルドルフ」を有効活用する「ルドルフ・ゲート」と多様な黒い有力デッキが存在し、それゆえに会場を埋め尽くす結果となりました。結果的に黒人気のあおりを受けて白が凋落したと思われます。「瘴気の渓谷」はペガサスを封じ、「シャドー・ソウル」は巨大ユニットをいじめます。今回は白につらい時代だったのかもしれません。

 グランプリ1を席巻した緑はまだまだ健在です。ディメンション・ゼロの根幹に関わる強さを秘めたエネルギー加速とユニットサイズの強さはもとより、「ゴッドファーザー」「ルドルフ」という2大超獣の存在が8エネルギーを貯めることができる緑にスポット・ライトを当てました。もちろん、グランプリ1を制した「歌劇場」デッキもメタの一角であり、緑が少なかろうはずはありません。さりげなく緑をプッシュした要素に「バードマン・ソウル」の存在があります。これまでならば使い道がなかったエネルギー加速後の1エネルギーが、「バードマン・ソウル」のおかげで宝くじチャンスに変わるお得感。実はあなどれないものがあったりします。今回の青は緑をサポートする形で活躍したといえるでしょう。

 今回台風の目となった色は赤でしょう。メタゲームの中心に黒緑「ルドルフ・ゲート」が君臨したが故に、赤は俄然注目を集めることになりました。どれだけユニットが並んでも一掃するチャンスがある「全軍突撃」。まさに「ゴッドファーザー」や「ルドルフ」を焼くためにあるようなスペックの「トロール流砲撃術」。そして最強生物「タイガーアイ」すらなぎ払う「ノヴァ・コマンド」。これら軽量優秀ストラテジーが決勝ラウンドに赤を登場させる土台となりました。

 グランプリ2のメタゲームは、緑の悪魔「クレーター・メーカー」の退場により、当然のことながら前回優勝した「歌劇場」デッキの研究からスタートしたものと思われます。「タイガーアイ」や「月夜の海の魔女」の獲得により強化された「歌劇場」デッキではありますが、時代そのものが向かい風となりました。「勝利への計略」は「バードマン・ソウル」に代表されるように、「プランを使う楽しさを知ってもらう」ことを主眼においてデザインされたエキスパンションです。結果として、プランを有効活用するためにデッキの軽量化が進み、軽量デッキを苦手とする「歌劇場」が相対的に弱体化していきました。

 それに変わって登場したのが新しい2つのデッキ。ひとつが黒い団結デッキが研究される過程で生み出された「幽鬼の谷」型のコントロールと、黒緑「ルドルフ・ゲート」です。特に後者は「ゴッドファーザー」や「ルドルフ」の傍若無人なアドバンテージ能力により、前者のコントロール能力を乗り越える強さを示したことから、一気に予選会場を席巻します。黒と緑のカードの強さと相性の良さはグランプリ1で証明済であり、デッキ構築次第であらゆるデッキに対応できることも人気の要因と言えるでしょう。

 もうひとつ黒緑の席巻であまり目立ちませんでしたが、グランプリ1よりあきらかに増加したデッキタイプがあります。それは、各色の単色デッキです。これはひとえに、強力なカード「バードマン・ソウル」を有効活用できることが原因でしょう。今回会場の90%を占めた黒の基幹カードよりは使用率は低いかもしれませんが、その強さは、会場の60%以上が採用していたことからも伺われます。使えば使うほどアドバンテージを獲得できるプランを、さらに有効活用できるこのカード。今後もトーナメント・シーンで使い続けられるのは間違いありません。

 そして最終的にメタゲームを制したのは赤黒「幽鬼コントロール」でした。メタゲームの中心が低速の「ルドルフ・ゲート」であること。そして、「シャドー・ソウル」の存在によってサイズ信仰が薄れ、会場におけるパワー6500以上のユニットの比率が激減していたこと、白の失速と対策すべきベースが「歌劇場」だけという環境から「蜃気楼の都市」以外のベース破壊カードが姿を消していたこと…これらの要素はすべて「幽鬼の谷」で火力を使いまわす赤黒「幽鬼コントロール」の追い風として働くことになりました。

 カードストックの増加により、グランプリ2のデッキは劇的に増加しました。グランプリ3では当然その傾向は加速します。エキスパンション2「仲間たちの絆」の登場によりいよいよ混沌とするメタゲームの中で、どんなデッキが活躍することになるのか、今後のメタゲームの変遷を楽しみにしています。


 グランプリ2レポートその2に続きます。
 その2では、会場で見かけたユニークなデッキをご紹介します。



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