ディメンション・ゼロ グランプリ-3- レポート その4
グランプリ-1- 優勝者 中村慎太郎

デッキ名:青赤「飛び出すめがね」(Dragon Bank)
弾数 カードNo カード名称 枚数
メインデッキ
■赤 ユニット
I -3 006 シルバーワイズ・ドラゴン 3
■赤 ベース
I -3 015 ドラゴンの洞窟 2
■赤 ストラテジー
I -2 018 全軍突撃 3
I -2 019 ノヴァ・コマンド 3
■青 ユニット
I -1 083 濃霧の魔氷フォッグ 3
I -1 085 ハイタイドセイコー 3
I -1 091 シーホースルドルフ 3
I -2 042 衣服商人スワロー・ポール 3
I -3 041 ギガント・ゴールドフィッシュ 3
I -3 047 真空の魔氷バキューム 3
I -3 052 銀行を守る獅子 3
■青 ベース
I -1 108 水底の歌劇場 3
■青 ストラテジー
I -2 056 バードマン・ソウル 3
I -3 057 金獅子捕物帖 2
合計枚数 40

サイドデッキ
■赤 ベース
I -3 015 ドラゴンの洞窟 1
■赤 ストラテジー
I -2 020 メガトン・パンチ 2
I -3 020 絨毯爆撃 2
■青 ベース
I -1 106 海底都市アトランティス 2
■青 ストラテジー
I -1 111 蜃気楼の都市 3
合計枚数 10

1、登場、GP3最終兵器「飛び出すめがね」
 今回のグランプリで使用したデッキです。最終兵器のくせに同型で出場して上位に食い込んだ人がいなかったために日の目を見ることなく終わってしまうところでしたが、今回このような場をお借りしてデッキ紹介をさせていただくことになりました。デッキの特徴は見てもらえばわかる・・・ようなデッキではなく、メタの外から勝ちを狙うために青赤という今までにあまりなかった色をチョイスしました。もちろん強い組み合わせだと思ったからこその採用ですので、使いこなせれば非常に強いデッキであると言えます。

2、なぜこのデッキを選んだのか?

 このデッキを解説する上で大切なのは何よりもGP3のメタ環境をどのように考えていたか、です。終わってみれば色々なデッキの入り混じった大会であったと言えますが、多くの人は大会前に何を中心のメタに置いたらいいかはっきりしない非常に読みにくい環境と感じたのではないでしょうか?前グランプリ優勝でもあるトロールヴァレーは未だに猛威をふるい、前環境でのメインメタでもあるゴッドルドルフ系のデッキもそのポテンシャルの高さから使い続けている人もいました、黒単・黒タッチ白のような小型の優秀ユニットを生かしたデッキも予選で多くいましたし、黒に耐性の付いたドラゴンを擁する赤を採用した赤緑のようなデッキもよく見かけました。しかしそれぞれがそれぞれに相性がよかったり悪かったりするので、なかなかどのデッキも採用しづらく、大会で勝つには当たり運が重要な要素となってしまいます。でもそれじゃおもしろくない、という天邪鬼な考えを持った私、そして大阪パブリック勢は新たにデッキを開発しようと考えたわけです。
 店舗段階でのメタはトロールヴァレー、そして黒単もしくはタッチ型が多く、赤緑が次に勢力として多いのではないかと考えていました。ちなみに前日予選も含めてグランプリのデッキ分布予想としてはトロールヴァレーが15%、ゴッドルドルフが5%、黒単もしくはタッチ型が30%、赤緑が30%、メタ外が20%と考えていました。それと同時にこれらのデッキ以外で何かうまい具合に勝てるデッキはないかどうかを考えていたのですが、そこで出てきたのが大阪発の青単デッキ「エビフリャー」です。純粋な青単のデッキですが、バキュームの登場によりサイズを手に入れたことに始まり、青の十八番であるドローやバウンス、パラドクス・ストームでアドバンテージを握り、エビヒーローを愛する心が歌劇場から3点スマッシュを一気に叩き出す、といったデッキに仕上がったわけです。これで大会に出場したところ、相手がこちらの動きをわからないこともあってどのデッキに対しても勝率がかなり安定し、対応のしづらいデッキで強いといった印象を受けました。緑相手にはもとから相性がよく、黒にも一瞬の隙を突いて一気に勝つことが可能です。何よりも多くの人が青はメイン色としてはメタ外と思っているところにも面白みがありました。
しかしこのデッキの弱点は「待ちに回ったトロールヴァレーや黒系相手にはデッキが切れる」ことと、「サイズをとことん並べられて、または妖精の風車を使って攻め続けられる」ことであると気づき、メタ的にも青を使う際にはそれがネックになってしまいました。それを補うにはどうしたらよいか、と考えたときに黒に強く全軍突撃という緑にも強い赤と組み合わせることを考えたのです。

3、デッキの構築
 では実際にどのように赤や青のパーツ選択したのかです。まず一方の赤のカードですが、メタの中心である黒は主に3000以下のパワーのユニットを使うのは黒を使っている人ならばだれでもわかるでしょう。そのため、3000以下のユニットを封じつつ、ユニットを除外するためにドラゴンの洞窟を採用しました。しかもゲームから除外することが対黒やクレーター・メーカー相手には重要で、墓地に行ったとき発動する能力が発動しなくなります。もちろん魔王の城や緑系には利きづらい面もありますが、それでもトロールヴァレーのようなパワーアップのないデッキや赤系のウィニーデッキもいるような環境であれば、パワーが3000以下のユニットすべてに利くこのカードは採用すべきと考えました。逆に大型のユニットに対しては全軍突撃という最強のパワーアップカードを使うことで、貧弱な青のユニットでも緑のユニットを一気に何体も除去できてしまいます。シルバーワイズ・ドラゴンは主に黒の墓地利用を防ぐために採用しました。もちろんサイズも優秀でパワーアップも可能ですので、攻めにも使うことができます。ノヴァ・コマンドはこのデッキの青の性質上、相手のユニットの前にユニットを置き、小型のユニットを並べることが多いため、プランから見えたり手札にあったりしたときに非常に使いやすく、且つ大ダメージを与えることが可能なので採用しました。
すべてが赤の色拘束が1でアドバンテージを握りやすいカードですので、赤のタッチ型として行き着くべくして行き着いたバランスにまとまった形と言えるでしょう。

そしてもう一方の青のカードですが、いくつかは青緑歌劇場の頃から使っていたパーツなので、みなさんもご存知なのではないでしょうか。それなので今回はエキスパンション2で新たに加わったカードで採用したものについてのみ説明させていただきます。
まずギガント・ゴールドフィッシュ(略称「金魚」)ですが、初見では対大巨人クレーター・メーカー用のメタカードではないかとか、ENがもともと少ない後攻なら強いのではないか、といった使い方に目が行きましたが、使ってみると素直に緑を使ったほうがいいんじゃない?という結論に達した人も多かったと思います。しかしこのデッキで使う場合、緑の多い環境なので大巨人クレーター・メーカーのカウンターで使ってもよし、相手が後攻でEN加速を使ったときに返しでこちらもEN加速するのに使ってもよし、もちろん普通に後攻で投げて使ってもよし、と緑を使っていないのにENアドバンテージが得られるといった利点がありました。しかもユニットなのでプランから出ても困らないですし、2コストで軽いのも非常に強かったです。
次に真空の魔氷バキュームですが、これはレビューでも紹介したトイレっぽいカードで、自分のユニットが倒されそうなときにうまくバキュームを出すことで手札に戻す、といった使い方がメインになります。タイミングは6コスト貯まった時点でそれまでにプランからプレイに成功している移動コスト1のユニットをとりあえず一歩前に出し優先権を放棄、そこで相手が何かしてきたらバキュームをプレイして回収します。もし何もしてこなかった場合、何かしてくるまでひたすらスマッシュを重ねてあげましょう。あとはハイタイドセイコーやシーホースルドルフがいて対面に相手ユニットがいる状態でバキュームをプレイ、能力がスタックに乗って対象をハイタイドセイコーやシーホースルドルフにしたら、バキュームの能力解説前にハイタイドセイコーやシーホースルドルフの能力を起動すればバキュームの能力が立ち消えになるといった使い方もあります。ただバキュームが場に出る前に自分のユニットがすべていなくなるとバキューム自身が戻ってしまうので注意が必要です。
次に金獅子捕物帖ですが、これは単純に5コスト以下を戻すことの出来るバウンスとしても強いですし、スマッシュをくらっていないならば1枚ドローできるというのも強いです。というのもこの環境では5コスト以下のユニットで優秀なユニットが増えたので、6コスト以上のユニットを詰め込むようなデッキが少なく、5コスト以下のユニットを戻せるということがイコールデッキの8割以上のユニットに利くということを表しているからです。しかもスマッシュを不用意に入れると不利になることをわかっているD-0プレイヤーが増えてきていますので、序盤にスマッシュを一気に入れられるといったことが減ってきています。そのため相手が何かユニットをプランから展開している4,5ターン目あたりに適当に撃つだけで相手のユニットを1枚盤面から除去してコストを無駄にさせつつ、こちらは手札が一枚増えるのですから強力です。しかもバキュームや苦悩の魔煙アゴニー、緑のライカンスロープ(象砲手バルカンなど)のようなユニットは手札に戻されると再度出しづらいため、実質除去としても働きます。
最後に銀行を守る獅子ですが、これはデッキ名の中に名前が入っていることからもわかるかと思いますが、このデッキのエンドカード的な存在です。このカードのすごいところその1は見た目パワーが5500に見えるところです。トロール流砲撃術やピクニック・バスケットを撃ったときに相手が銀行を守る獅子を墓地に置かないで「カードの能力を読んでください」なんて言われたことはありませんか?そうなのです、こいつの能力を読むと「すべてのライオンのパワー+1000」と書いてあるのです。こいつ自身もライオンなのでもちろんパワーが1000上がります、つまりパワーは最初から6500なのです。これを知らないプレイヤーが多いので、むやみにトロール流砲撃術やピクニック・バスケットを無駄撃ちしてくれます。
すごいところその2はもう一つの能力であるユニットのない自軍エリアに動かせるところです。これは非常に強さがわかりづらいところなのですが、現在の環境は確定除去の採用率が非常に低いと言えます。というのもノヴァ・コマンドやシャドー・ソウルのような優秀なカードがあり、しかもユニットも比較的大型を詰め込むよりも小型+パワーアップベースを使うといった選択が多いため、ケイオス・ハンドや冥王の鉤爪、呪われた手紙、暴走する大地の採用が減っています。そのため先ほどの能力を使用することで相手が迎撃をしようとしたときにバトルに入ることなく逃げ回ればシャドー・ソウルで倒されることはありませんし、ノヴァ・コマンドも3ラインすべてを埋められていなければ相手のユニットのいないラインに逃げることで対象不適正のため立ち消えになります。つまり現環境ではこのユニットを除去する手段が非常に限られていると言えます。このユニットが出ただけで除去できないために押し切られることもあるでしょう。ただもちろん逃げたい自軍エリアに自分や相手のユニットがいたら逃げられませんから、その点は十分注意しないといけません。
すごいところその3は、その1・その2と同じ能力ですが気づき辛い点を挙げようと思います。一つはその1で言った様に「すべてのライオンのパワー+1000」という能力です。これによって銀行を守る獅子の2体目が出ることで、お互いにパワーが7500になります。これによって殺意の魔煙キラーと真夜中の狩人ミュラーを当てられても死なないわけです。見逃しやすい能力の一つですので覚えておいたほうがいいでしょう。もう一つはその2で説明した能力を使った防御法です。例えばあと2スマッシュを与えられたら負けという場面の場合、相手は冥界の門や生命の門、もしくは既に場に出ているユニットや速攻を持っているユニットで奥まで攻めて2スマッシュを与えようとしますよね?その場合、手札があれば迎撃される可能性があるので相手は悩みますが、手札がないのですから一気に突っ込んできて勝負を決めようとするでしょう。そのときに相手が自軍のエリアに攻め込む移動にスタックしてその2の能力を使い相手の移動先に先回りすると、手札がないにも関わらず相手の進軍を邪魔することが出来るのです。これは知らないと一気に形勢逆転になることが多いので、必ず覚えておいたほうがいい能力と言えるでしょう。
このような考えからカードをチョイスし、デッキを組み上げてグランプリに望んだわけですが、同型のデッキで出場した人達の中で一番よかった成績は14位でした。まだまだ練りこむ箇所のあるデッキですが、面白い仕上がりになったと思います。あとはそれぞれ個人の好みで調整していったらいいかと思います。私としてはパラドクス・ストームやペンギン・ポー、イメラッなどを投入して再調整してみたいところですね。

4、終わりに
 長々と解説していきましたが、このデッキをいきなり使ってもそんなに強いデッキと感じることはほとんどないでしょう。それぞれのカードの使い方を覚え、相手のデッキに対してどのようにプレイングしたらいいかをきっちりと理解しないと、まるっきり同じデッキを作っても人によっては強かったり弱かったりするのがディメンション・ゼロの面白いところです。日本選手権に向けてもちろんカードの研究も大事ですが、みなさんそれぞれに合ったプレイスタイル、デッキも模索してみてください。



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