ディメンション・ゼロ グランプリ-4- 本選レポート
ジャッジ兼ライター 前川 勝

1.総括
 ディメンション・ゼロも無事2年目を迎え、今回も全国から276名のもの猛者たちが参加を表明したディメンション・ゼロ「グランプリ−4−」横浜決戦。プロたる資格を持つプレイヤーはもちろん、アマチュアプレイヤー達も果敢に対2デッキ制の、タイプは似通っていても一味違うアレンジを加えた、オリジナリティ溢れるデッキを多く携えて戦いに望んできてくれました。
 今大会の最大のトピックは何と言ってもファースト以来の大型セット「セカンド・センチュリー ベーシックパック」の実戦投入があげられるでしょう。
 普段の100種のエクスパンションですら、メタゲームを大いに混乱の渦に陥れてきた過去の結果を見ても、今回の超強力カードが多数潜んだ200種の「ベーシックパック」の到来がいかに強烈な衝撃であったかは予選や本選の結果を見るまでもなく推察のつくところです。
 特に前大会にあたる「日本選手権」において下馬評の通りに優勝デッキの一つにのし上がった「4色プラン」デッキのキーカードが警戒カードに指定されるに留まり、その戦闘能力自体は低下しなかったものの、それに対抗してみせる「妖魔の勇者」を中核に持つ「勇者ジャッカル」や「流氷の大陸」をキーに強力無比な8コストユニットを歌劇場よろしく敵軍エリアまですっ飛ばす各種「流氷」デッキなどの野心的なデッキが多く製作されたのはその証左の一つといえるでしょう。
無論、それ以外の各デッキも「ベーシックパック」の投入により、全体的なレベルアップを見せており、その熱戦は日本選手権に勝るとも劣らない名勝負を数多く生み出しました。
 本レポートでは集計されたデータを元に、激戦の結果を分析していきたいと思います。

2.デッキ分布

  【本選参加者】
デッキ名
Aデッキ
Bデッキ
総合
解説
3色プラン
12%
17%
15%
戦闘能力が証明されている上にバリエーションが豊富。
緑単
14%
9%
12%
コントロールの相方として存分に力を発揮。
赤緑
14%
9%
11%
ビートダウンの代名詞。緑単に少ない「速攻」が魅力。
黒緑
12%
6%
9%
ゴッドルドルフも大型ユニットの優秀さにより復権。
4色プラン
9%
8%
8%
前大会優勝の一角だが、対策も充実し、シェアダウン。
白緑
7%
7%
7%
大型デッキであると同時にベースも警戒してか。
青緑
5%
6%
6%
「勇者ジャッカル」が代表的なデッキとなった。
黒単
5%
5%
5%
隠れたビート色。「妖魔の勇者」対策の最右翼。
黒青
3%
5%
4%
「流氷ルドルフ」は様々な亜種を生み出した。
赤単
4%
2%
3%
「ジェミニ」を得た赤単はさらに速さに磨きがかかる。
赤青
3%
3%
3%
「カオスヘッド」と「流氷」が好相性。
赤黒
3%
1%
2%
コントロールの主役はプランに奪われたか。
その他
10%
22%
15%
 
  ※「バードマン・ソウル」など3枚以下のタッチは色としてカウントしていません。


  【色別使用率】
使用率
解説
49%
ユニットの性能、エネルギー加速の両輪で大活躍。
47%
「ルドルフ」や「シュレーゲル」から「キラー」まで優秀なカードが粒ぞろい。
41%
「ステルス」はもちろん、「ジェミニ」達も要所で活躍。
40%
新戦力「ハウンド」の健闘で最下位脱出。
38%
単体でのデッキの組みづらさからか、今回はサポートに徹した形となった。

 冷静に全体的なデッキのシェアを見ると1位に上ってきたのは3色プランでした。これは既にこれまでの大会や予選を戦い抜いてきた証明された戦闘能力に加え、赤、黒、青、白の4色から3色をチョイスする、バリエーションの豊富さから来るものであり、ある意味においては4色プラン以上に3色プランを選択するプレイヤーが多かった、と言う事実はさほど驚くべきことではありません。
 ここで我々が驚くべきは2位以下の緑の使用率の高さと言えるでしょう。
 3色ないし4色プランでは使用されない色である緑は2デッキ制において、一翼を担う色として兼ねてから注目を集めてきましたが、多色の混合色デッキをここまで押さえ込み、上位のシェアを独占するのは非常に稀と言わざるを得ないでしょう。
 この躍進の影にはもちろん、先に述べました「妖魔の勇者」などの強力カードの投入はもちろん、元来が得意とするエネルギーブーストの重要性、さらには有効色のエネルギーブーストとなりうる「呼声ユニット」の登場などの様々な要因をあげることができます。
また、グランプリ−2−時代から親しまれてきた「ゴッドルドルフ」タイプのデッキも「時空を歪める者シュレーゲル」や「カオスヘッド・ドラゴン」などの登場を受けてシェアを拡大。俗に「ブーストギガンティック」と呼ばれる黒緑デッキと合わせ、緑の台頭を促したと言えるでしょう。

 それを受ける形で、色別使用率では実に半数近いプレイヤーがいずれかのデッキにおいて緑を選択するという結果となりました。特にAデッキでの緑の使用率は実に55%となっており、緑を絡めたビートないしはコントロールで機先を制し、優位な戦いに持ち込もうと目論んだプレイヤーが多く存在したことが伺えます(それに伴いBデッキに3色プランデッキを配したプレイヤーが多かった、との見方も可能になってきます)。

 そして、それに次いだ色はやはり個別のカードパワーが頭一つ抜け出していると言える黒。ある意味で上位の座を明け渡したことがない黒ですから、この順位にも頷けるものがあると言えます。未だエクスパンション落ちせずにすべてのカードが使用可能な黒は単色同士の戦いであるならば、決して後塵を拝することはないと言えるでしょう。
 ある意味において、緑と黒がトップを占めるのはディメンション・ゼロにおける「基本=ベーシック」に立ち返ったと言うこと。このバランスが後のエクスパンションでどのように覆されていくのかも楽しみの一つと言えるでしょう。

 三番手につけたのは前回のトップである赤。最早この色を「弱体色」としてさげすむ人間はまさかいないでしょう。最速の展開力の速攻デッキは「惜別のジェミニ」を得た事により確実にフィニッシュ率を高め、最後の一押しは「ドラゴン・スクリーム」や「決意のジェミニ」が補うという理想的なパーツとなりえるカードが揃っていたと言えますし、各色の中でも最も凶悪と目される「紅き覇王の門」の登場は、いつどこからフィニッシュブローを叩き込まれても文句の言いようがない、赤の恐怖を体言しています。安定した強化を得たこの順位は最も妥当と言えるかも知れません。

 そして、ついに、と言うべきでしょうか。シェア率の最下位を脱出した白は三番手の赤にあと一歩と言う40%という脅威の使用率でどん底から這い上がってきました。何と言っても一番の牽引役は新戦力「ハウンド」達であると言っていいでしょう。最早ゲームを根底からひっくり返すとまで言われた「ストラテジー使用不可」の脅威は会場のありとあらゆる場所でタッチ「バードマン・ソウル」を封印し、「真夜中のダンスパーティー」をエネルギーゾーンに叩き落とさせることに成功しました。それに加え、親玉とも言える「犬闘士ケルベロス」は他の「ハウンド」の支援を受けながらパワー8000、スマッシュ2と言うその巨躯を活かした活躍でトーナメントシーンを駆け抜けました。
 「セカンド・センチュリー」の白は一味違う。そんな時代の新風を感じざるには得ない順位の入れ替わりでありました。

 変わって最下位に甘んじたのは青。その主だった理由としては単体のユニット性能で他の勢力と対等に渡り合うことの難しさがあげられるでしょう。もちろん中にはパワー負けすることのないユニットも存在しますが、全体的なデッキ構成を考えた場合には、今回の青は主力を担うよりは第2色目として他のサポートに廻るのが最適とされた模様です。
 もちろん、最下位とは言ってもわずかに2%の差。「サイバー・チェイス」などの超優良ストラテジーが存在する限りは青がこれ以上シェア率を下げるとは思えません。まして新エクスパンション「暴走!機動要塞」で加わる新戦力「タートルシップ」は今回極端に少なかった青単色デッキを復活させる救世主となりうるかも知れないほどのポテンシャルを秘めているユニットと言えるでしょうから、次回の色別ランキングは全く様変わりしたものになっていたとしても、不思議ではありません。

次回は惜しくも決勝には残れなかったものの、皆さんの記憶に留めてほしいユニークデッキを紹介していこうと思います。


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