ディメンション・ゼロ グランプリ-5- 決勝戦レポート
 みなさん、こんにちは。こちらでは初めましての方が多いと思います。
ディメンション・ゼロの攻略ブログ「ディメンション・ウェンズデー」の管理人をしています、千里夜行です。
この度は故あって、グランプリ5決勝戦のレポートを書くことに相成りました。最後までお付き合いくだされば幸いです。

 実際のデュエルレポートの前に、決勝の舞台に上がったお二人について簡単な紹介から。


★王者の決戦!生田プロ VS 下山プロ
  激闘を経て決勝の舞台に立ったのは、共にプレミアイベントの優勝経験者。
生田は、地元名古屋のグランプリ3をトロールバレーをもって制しており、前回のグランプリ4でも第4位と、その実力は明らか。
一方、横浜を地元とする下山も、先日のオープングランプリ仙台で優勝を果たしたばかり。今回のグランプリも見事決勝卓まで駆け上がってきた。今最も勢いに乗っているプロプレイヤーといえるだろう。
果たして、下山が仙台に続いて九州を制するのか、それとも生田が二度目の戴冠を果たすのか。

 それでは、実際のデュエルの模様をレポートにうつる。
なお、Aデッキ戦は少々メモが不足しているために解説に過不足な部分が多いかもしれないが、ご容赦いただきたい。


★Aデッキ戦 -激突!名古屋ウイニー? VS ゴッドルドルフ!!
まずはAデッキ戦。
生田が操るのは、緑赤のビートダウンデッキ「シャチホコウイニー」。呼声からの高速展開を主軸に、緑赤の優秀なユニットでビートダウンしていく。グランプリ前に注目されていた【ニトロ・カタパルト】搭載タイプではない。なお、デッキ名は奇をてらったわけでは無く、名古屋では昔から緑赤のビートが使われているらしい。
対する下山のデッキは、緑黒ゴッドルドルフ。日本選手権で復権を果たして以来、現在もメタの一角を占める有力デッキだ。

 典型的なビートダウン対コントロールデッキのマッチアップとなった。ウイニーがラッシュでゲームを決めるか、ゴッドルドルフが生き延びて大型ユニットで盤面を支配できるか。
事前予想では、ユニット除去に優れたゴッドルドルフ側が有利と目されていたが、さて・・・

●生田、怒涛の展開!
 下山先攻でスタートした一本目。
序盤は互いにプランをめくる静かな展開。
先に動いたのは、ビートダウンの生田。3ターン目にプランから呼声ユニット【夜を照らす灯チュプ】をプレイ。

 これに対して下山は4ターン目にプランを作成。【イビルアイ・ドライバー】が表になる。残りエネルギーは3だが、ここで手札から【小さくて大きな力】を使い、エネルギーを4に戻して【ドライバー】を自軍エリア中央にプレイし、【チュプ】を除去する。
【小さくて大きな力】を使うのは手札的には損するが、ビートダウンデッキの呼声ユニットを放置しておくと、そこから発生する圧倒的な展開力で押し切られる可能性が高くなる。生き延びればこの程度の損は後から取り戻せるはずであり、適切な判断だろう。

 呼び声を失った生田だが、続々とユニットを展開させていく。4ターン目には手札から自軍右ラインに【象砲手バルカン】をプレイし、スマッシュでエネルギー加速。続く5ターン目には、プランから【タマゴ・ドリアード】を自軍エリア左へプレイ。

 しかし、6ターン目の下山のプランは、またも【イビルアイ・ドライバー】。
先に呼んだ【イビルアイ・ドライバー】を中央へ前進させ、空いた自軍中央スクエアに【ドライバー】をプレイ。生田の【象砲手バルカン】を除去。前進した【ドライバー】がそのままスマッシュする。

 先に攻め込まれた生田は、【ドライバー】を無視してユニット展開を続ける。増えたスマッシュエネルギーの助けも借り、プランから【蜘蛛の巣をまとうフェアリー】【不言のカペラ】と続々とユニットを追加。主導権を取り戻す機会をうかがう。

 一方の下山は動かず。エネルギーのチャージと【イビルアイ・ドライバー】で1スマッシュずつ与えていくのみである。8エネルギーを残したまま、ターンを生田に渡す。

 自陣に3体のユニットを並べた生田はここで攻勢にでる。自軍中央の【蜘蛛の巣をまとうフェアリー】は正面に【イビルアイ・ドライバー】がいるので待機させたまま、左右ラインにいた【不言のカペラ】【タマゴ・ドリアード】を中央エリアへ前進させて、優先権放棄。

下山「手札から【時空を歪める者シュレーゲル】をプレイ」

 【シュレーゲル】の直撃と特殊能力で、前進させた【カペラ】【タマゴ】が一気に除去される。生田は、プランから【妖魔の勇者】をプレイしターンエンド。

 ここでの生田はユニット2枚を手札の【シュレーゲル】1枚と交換され、テンポ的には大きな損失だが、【妖魔の勇者】を出せたことで、反撃の準備は進められている。
もう一体のユニットを展開できるエネルギーを残した状態で一度優先権放棄をしていた生田の判断が光る。

 下山はエネルギーをチャージ、手つかずの9エネルギーを残したままで【ドライバー】でスマッシュを決めてターンエンド。

 ここで、状況を整理してみよう。
生田の側には、ドライバーの正面に【蜘蛛の巣をまとうフェアリー】(パワー4500)と、右ラインに先ほどプランからプレイした【妖魔の勇者】(パワー7000)。
下山は中央ラインの、中央エリアと自軍エリアにそれぞれ【イビルアイ・ドライバー】(パワー4500)を並べ、生田をスマッシュしている。依然として0スマッシュのままで、ゴッドファーザーもルドルフも登場していないが有利な場ではある。

●動きだす盤面、勝負に出る下山、そして……
 生田のターン。ここから盤面は一気に動き出す。

・生田、【妖魔の勇者】を中央エリアへ前進移動を宣言。
・下山、生田の【妖魔の勇者】移動にスタックし、移動先の前方スクエアに【妖魔の勇者】をプレイ。(ここで生田のエネルギーを縛り、できればそのまま勝負にいきたいところだろう)
・下山の【勇者】プレイ解決。スクエアに置かれた。
・生田、自分の【勇者】移動にスタックして手札から【ノヴァ・コマンド】をプレイ、解決。 【勇者】と【蜘蛛の巣】をフリーズさせ、下山の【勇者】を8000ダメージで焼き払う!
・生田の【勇者】移動を解決。
・生田、【勇者】を隣の【イビルアイドライバー】のスクエアへ移動。踏み潰しにいく。
・下山、生田【勇者】の移動にスタックし、【大地の塔】を【ドライバー】のいるラインへプレイ。
・生田【勇者】と【ドライバー】のバトル解決。踏み潰された【ドライバー】はエネルギーゾーンへ送られた。

 生田は優先権を放棄。【勇者】で、このデュエル初めてのスマッシュを決める。

 ここで再度、盤面の状況を整理してみよう。
生田は、中央ラインの、自軍エリアに【蜘蛛の巣をまとうフェアリー】、中央エリアに【妖魔の勇者】がいる。
下山は、中央ライン自軍エリアに【イビルアイ・ドライバー】がおり、さらに中央ラインには【大地の塔】が置かれている。
いずれも左右ラインには何もいない。

 続く下山のターン。スマッシュ値では優位に立っているものの、前のターンの攻防でユニットを2体失い、盤面は下山の不利に変わった。

 下山のデッキには、【妖魔の勇者】を1枚で殺せるカードは少ない。【禁断の病棟】は入っているが、同ラインに【大地の塔】を貼っているため、例えプランから出ても役に立たない。
また、手札に【生命の門】はあるものの、生田は中央の【妖魔の勇者】で睨みを効かせている上、たっぷりエネルギーを残している。いきなり7スマッシュを狙いにいける状況ではない。

 下山は、プランから【殺意の魔煙キラー】を【妖魔の勇者】にぶつけ、更に【勇者】の正面にいた【イビルアイ・ドライバー】を【勇者】へ向けて移動させ、相打ちで倒すことに成功。相打ちといったが、【大地の塔】のラインなので、【キラー】【ドライバー】共にエネルギーに置かれており、悪い取引ではない。そのまま11エネルギーを残っている状況で優先権放棄。対応して生田は【不言のカペラ】をプレイしてきた。

 ここで、下山は勝負に出る。
【生命の門】をプレイしエネルギーゾーンから自軍中央ラインに【大巨人ゴッドファーザー】を出す。
さらにその【ゴッドファーザー】の能力を起動。エネルギーゾーンから【時空を歪める者シュレーゲル】を中央エリアに出し、特殊能力で、【カペラ】を除去した。
これで下山のエネルギーは残り2エネルギー。だが、受けているスマッシュは僅かに1点。次のターンにいきなり6スマッシュ受けない限り、そのまま大型ユニットで押し切れるだろう。
生田は自分のターンに入る前に残りのエネルギーで【妖魔の勇者】をプレイした。

 そして運命の生田のターン。

生田「プラン作成。【バードマン・ソウル】をプレイします。…効果でプランから出た【バードマン・ソウル】をプレイします。…効果でプランから出た【爆砕の魔炎バーン】をプレイします」
一同「!!」

 紛れもないトップデッキに、観客からも歓声も上がる。
右ラインに【バーン】をプレイし、2歩前進。先のターンに左ラインに出していた【妖魔の勇者】を2歩前進。更に手札から【小さくて大きな力】を使用し、中央にいる【蜘蛛の巣をまとうフェアリー】を【シュレーゲル】を迂回して中央エリアへ移動させる。下山に迎撃の手はなく、生田は一気に6点スマッシュを決めて、Aデッキ戦を制した。

 最終的にはトップデッキ【バーン】で勝利したわけだが、序盤の苦しい状況にもかかわらず丁寧なプレイングを積み重ねたからこそ、そこまでたどり着けたといえるだろう。

 
★Bデッキ戦 −決戦! 幽霊屋敷 VS 青赤流氷!!
 劇的な決着で終わったAデッキ戦。だが、休むことなくすぐに2本目の勝負に入る。
後が無くなった下山が100万円のチャンスを得るには、ここで勝って3本目にもつれ込むしかない。

 生田のBデッキは、現環境で新たに登場したデッキタイプ、黒白の幽霊屋敷デッキ「サイレンラバー」。黒と白の優れたユニット、ユニット回収と除去を兼ねる黒の合体ベース、さらに【サイレント・ナイト】で合体ベースを再利用し、アドバンテージを繰り返し得ることで確実に勝利する。
対する下山は、青赤タッチ白の流氷デッキ。下山がオープングランプリ仙台優勝時に手にしていたデッキだ。もちろん今回のグランプリ用に微調整が加えられてる。

 事前予想では、墓地利用主体のデッキである「幽霊屋敷デッキ」に対し、除去に優れると共に墓地除外を組み込んだ「青赤流氷デッキ」のほうが有利とされていたが、さて・・・

●静かなるスタート

 下山の先攻でスタートした2本目。
Aデッキ戦と異なり、互いにコントロール要素の強いデッキだ。盤面はより静かにスタートする。

 序盤数ターンは互いにプランを作成。
生田は、プランから【陽気な墓場】(当然右ラインにプレイ)と【失恋の痛み】をプレイ(下山の【カオスヘッド・ドラゴン】を墓地に落とした)。
下山はプランから【粉雪の魔氷パウダースノー】をプレイ。

 盤面が動き始めたのは、互いのエネルギーを8を越えてからだ。

 先にユニットを出したのは生田。
9エネルギーの時点でプランを作成。【犬闘士チワワ】をプレイしターンエンド。

 だが次のターン、下山はプランから【ステルス・スナイパー】を自軍右ラインにプレイし、【チワワ】を除去。優先権を放棄すると、対応して生田は【犬闘士フェンリル】を【陽気な墓場】ライン上にプレイした。
この【フェンリル】は青赤側にとって非常に厄介だ。青のドローカードも赤の軽量火力(プランに出た【メガトン・パンチ】さえも!)封じられ、さらにベースの援護でパワーが7000になっているため【ステルス・スナイパー】の効果一撃では倒せない。さらに言えば、大型ユニットへの対処手段【絨毯爆撃】も封じられる。
下山はそのまま4エネルギー残してターンエンドした。

 生田のターン。手札から【犬闘士ケルベロス】を自軍エリア中央へプレイ。【ケルベロス】の特殊能力で【フェンリル】をフリーズさせ、【ケルベロス】中央エリアへ移動させて、優先権を放棄。下山は【ドラゴンの洞窟】を【フェンリル】ラインにプレイ。生田はそのまま【ケルベロス】で2点スマッシュし、1本目と逆に先行する。

●攻める生田、迎撃する下山
ここで盤面の状況を整理してみよう。
生田は、中央のスクエアに【犬闘士ケルベロス】、自軍左エリアに【犬闘士フェンリル】を置き、攻勢に出ている。被スマッシュは0。 下山は、自軍エリア右に【ステルス・スナイパー】。左ラインに【ドラゴンの洞窟】。2スマッシュを受けている。早急に生田のハウンド達を(特に、ド真ん中のスクエアに居座る【ケルベロス】を!)を処理しなければ、死が待つのみだ。

 下山のターン。一度プランするも、役に立たない【トロール流砲撃術】。【フェンリル】がいるため、プランから【絨毯爆撃】や【メガトンパンチ】が出ても使えず、プランから現状を打開できる可能性は低い。
ここで、Bデッキ戦の一度目のターニングポイントが訪れる。

下山「手札から【カオスヘッド・ドラゴン】をケルベロスのスクエアにプレイします」

 生田の対応は、無い。

生田「では、ケルベロスがバトルに勝ったので(下山が先置きしていた)【ドラゴンの洞窟】を破壊します」
下山「…!!?」

 絶句する下山。
先に【ドラゴンの洞窟】で【犬闘士フェンリル】にダメージを与え、後に【カオスヘッド・ドラゴン】をプレイし、その火力で2体を薙ぎ払うのが本来行うプレイだったのだろうが。
痛恨のプレイングミス。
彼のようなトッププレイヤーでもミスを犯してしまう。これがグランプリ決勝戦の重みなのか。

 下山は、【カオスヘッド】と【ケルベロス】のバトル終了後、6000ダメージをケルベロスに与え除去し、墓地を除外。エネルギーがほとんど尽きた上、【フェンリル】が睨みを効かせている以上、このターンにできることはほとんどない。優先権を放棄すると、対応して生田は【犬闘士チワワ】をプレイ。

 続く生田のターン。プランから一気に【陽気な幽霊屋敷】【陽気な森】を続々プレイし、ついに合体ベースが揃った。

 下山はプランするも、めくれるストラテジーは全て生田のハウンド達の能力で使用できず、厳しい展開。優先権放棄すると、対応して生田は【イビルアイ・ドライバー】をプレイ。
そして、このデュエルの2度目のターンニングポイントが訪れる。

●生田の猛攻!下山、最後の賭け
 ここで再度、盤面の状況を整理してみる。
生田の側には、陽気な合体ベース3種が置かれている。更にユニットが3体、自軍右に【犬闘士フェンリル】、自軍中央に【犬闘士チワワ】、自軍左に【イビルアイ・ドライバー】。それぞれベースの支援でパワーは+1000されている。
下山の側には、自軍右エリアに【ステルス・スナイパー】(ちょうど生田の【イビルアイ・ドライバー】の正面だ)。

 生田のターン。【イビルアイ・ドライバー】を前進させ、優先権放棄。
下山、ここまで握っていた【クラーケン・クラッシュ】を【イビルアイ・ドライバー】のスクエアを対象にプレイ。生田の対応はない。置いたユニットは【犬闘士ケルベロス】。バトルに勝ったときの効果で、スマッシュを破壊するか、ベースを破壊するか、いずれにせよ下山はこれを通して挽回のチャンスを伺う計算だろう。

生田「ではバトル中、ダメージがスタックに乗る前に【因果律の抜け道】を【犬闘士ケルベロス】にプレイします」

 反撃への一手は、僅か3コストで迎撃。そのまま生田は3点目のスマッシュ与えた。

 下山は自ターンに【ドラゴンの洞窟】を2回プレイ、起動して【イビルアイドライバー】を倒す。優先権放棄すると、対応して生田は【花束を捧げる乙女】をプレイ。

 生田のターン、満を辞して【フェンリル】【花束】を前進させる。下山に迎撃の手はなく、生田は5点目のスマッシュを叩き込む!
下山は自ターンにプランから【ステルス・スナイパー】をプレイ、【フェンリル】にぶつけて戦闘ダメージと6000ダメージを与えて除去。優先権を放棄すると、対応して生田は【時空を歪める者シュレーゲル】をプレイ。
観念したか下山、【ステルス・スナイパー】を正面の花束へ移動、さらに手札から【ドラゴンの洞窟】をプレイし、【花束】を除去。ほとんどのエネルギーを使い切ってしまう。
こうなれば【シュレーゲル】の進軍をとめられるわけはなく。生田は【シュレーゲル】の歩を進ませ、7点目のスマッシュを与えた。
その瞬間、ディメンション・ゼロ史上初のダブルチャンプが誕生した。


★君に、勝利の鐘を響かせる資格はあるか?
 もしかして、この記事を読まれた方の中には、生田がトップデッキと相手のミスで勝利したようにも思われたかもしれません。
ですが、本当にそれだけならば、生田は決して2度のチャンプを取れなかったことでしょう。
そこに至るまでのプレイングが、トップデッキをトップデッキたらしめ、勝利へのチャンスをモノにできたのです。

 決勝トーナメントの閉会時、デナイザーの中村聡氏は言いました。
「皆さんも、プラン【バードマンソウル】【バードマンソウル】【バーン】を目指してがんばってください」
会場は笑いの渦に巻き込まれました。
ですが、私は思いました。
どんな時もベストのプレイングを行い、トップデッキをトップデッキたらしめる、そんな素晴らしいプレイヤーを目指してほしい。
そんな意図があったのではないかと。



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