ディメンション・ゼロ グランプリ-5-レポート データ解析編

1、総括

初めて本州を離れ、九州の地において開催されることとなった「グランプリ‐5-」博多。
これまでグランプリが開催されてきた関東、関西の大都市圏から離れたこともあり、遠征組の中からも参加を見送るプレイヤーが現れ、参加者が伸び悩むのではないかと個人的に心配をしていたのですが、ふたを開けてみればどうということはなし。

他のグランプリにも決して引けを取らない216名のプレイヤーが、自慢のチューニングを施したデッキを携え、会場に赴いてくれました。これも偏にディメンション・ゼロの人気が全国的な規模で波及し、プレイヤー達もそれに合わせて拡大、成長してくれていっているからと言えるでしょう。
今後のグランプリや日本選手権の激戦が、前回を超えるものになるであろうことを予感させ、今から楽しみになる……「グランプリ‐5-」はそんなこれまでの重ねられてきた成果を感じさせ、これからの更なる発展を予感させてくれる大会であったと言えると思います。

デッキ分布の方でも「暴走!機動要塞」の投入は「ベーシックパック」に勝るとも劣らない衝撃を与えたと見え、新たなバリエーションのデッキを多数輩出するとともに、前大会で見出された「流氷の大陸」を使用した奇襲を含めた盤面制圧型のコントロールデッキが情報の流出と戦闘能力の高さの証明を受けたことにより、さらに研究・洗練され、一大勢力と呼んで差し支えないレベルまで使用者を増加させるなど大きな変化が見られました。
まずはデータの方を見ていただきましょう。

2、デッキ分布

【本選出場者】
デッキ名 Aデッキ Bデッキ 総合 解説
3色 16% 21% 19% 流氷にプラン、ゴッドルドルフの一部も3色になったため、最大勢力に成長。
赤単 13% 9% 11% 《ニトロ・カタパルト》の投入により、シェアを拡大。
黒白 9% 11% 11% 《幽霊屋敷》が旗手として軍勢を引っ張る。
青緑 8% 10% 9% 流氷と大型ユニット、ある意味黄金の組み合わせ。
黒単 7% 7% 8% デビルクロック団結の後押しもあり、安定したシェアを維持。
緑単 6% 8% 8% 今回はスピードをもたらすデッキが緑単以外も多く存在。
黒青 6% 6% 6% 制圧系ビートダウンが散見された。
赤黒 6% 5% 6% コントロール型ニトロとヘル・ビートが2本柱。
青白 6% 2% 4% ブル・マスティフを絡めた大型ユニット高速召喚が多数。
白緑 4% 4% 4% 伝統のファッティ。
今回はスピードで不利と見られたか。
4色 3% 2% 2% 4色プランもついに使用者を激減させる結果に。
その他 13% 12% 12%  
※端数を四捨五入しているため、パーセンテージにはバラつきがあります。ご了承ください。

【色別使用率】
使用率 解説
47% 色での《幻影王ルドルフ》《時空を歪める者シュレーゲル》《幽霊屋敷》《デビルクロック》と縦横無尽の活躍。
37% コントロールなら《カオスヘッド・ドラゴン》、速攻なら《ニトロ・カタパルト》が合言葉。
36% 後に制限を受ける《花束を捧げる乙女》《犬闘士ケルベロス》《サイレント・ナイト》などの活躍で使用者を集める結果に。
36% 《流氷の大陸》が一番人気を集めたのはもちろんだが、もはやアドバンテージの基本《バードマン・ソウル》《サイバー・チェイス》は青が入る隙があるな ら是非とも入れたい。
32% 強力なカードがなかったわけでは決してないが、前大会のように緑を中核としたビートダウンに頼らずに戦うデッキの増加がこの結果に繋がったか。

今大会のデッキ分布は一言に「これ!」と言えるデッキが存在しないのが最大の特徴と言えるでしょう。デッキ使用率の中でトップを占める「3色」にしても「3色流氷」「3色プラン」「ゴッドルドルフタッチ他色」などを統合してようやく2割弱という結果ですから、本選に参加したプレイヤー達は自分が次にどんなデッキと当たるのか、まったく想像がつかないような状況であったかと思われます。
また他に注目すべき点としては赤単を2位に押し上げた《ニトロ・カタパルト》や前述の《流氷の大陸》によって小型、大型を問わず、ユニットでの一撃必殺でのゲームエンドが可能になったため、2デッキ制でありながら、前大会のような「一つは4色を使ったコントロール、もう一つは余った緑でビートダウン」という選択肢を選ぶ必要性がなくなり、結果としてコントロール型のデッキを2つ用意しても時間切れにならない新環境が誕生したのが特筆すべき点でしょう。
コントロール型のデッキを愛用するプレイヤーにとっては無理にビートダウンデッキの練習をする必要もなく、好きなデッキで参加できる、というのは不要なストレスを感じることなく参加できた大会であったと言えるのではないでしょうか(しかしながら優勝し、2冠を達成した生田瑛二プロはビートダウンとコントロール、双方のデッキを扱うことができる研鑽を積んでこそ、あの地位にあるのだということを忘れてはなりませんが)。

結果、色別使用率は前回とはうってかわって一気に緑がシェアを縮小。
なんとディメンション・ゼロ始まって以来の最下位という形になりました。
これは「暴走!機動要塞」で投入されたカードの使用率に表れたとも言えそうです。

1位の黒は実に得るものが多く、また失うものもない優秀な色として認知されたようです。ユニットならば《悪運時計ハードラック》《ハウス・オブ・ヘル》、ベースならば《陽気な幽霊屋敷》を代表する合体ベース、ストラテジーならば《因果律の抜け道》と、デッキの中核を担い、なおかつかゆい所に手が届く仕上がりに誰も文句をつける人はいないでしょう。

そして今回は2位と、既にAクラスの常連となりつつある赤は《ニトロ……に関しては散々取り上げましたので、他のカードを評価していくと、新種族スチームギアが速攻の要として多く機能していたようです。もちろん、プランから出てくるとスマッシュを増やす「暴走」は恐怖ですが、それを補って余りある性能がその名の通り「闘神」の如き活躍をみせてくれました。またビートダウンと大変相性のよい《不言のカペラ》も赤使いの中では必須ユニット。相手に多くのスマッシュを与えることなど赤にとっては朝飯前の条件であり、あっさりスマッシュ2ユニットとなった《不言のカペラ》は数多くの勝利を実戦の場でももたらしたことでしょう。

3位は前回から着実に順位を上げてきた白です。最弱色と言われたのは既に過去の話。犬闘士チワワ》《犬闘士フェンリル》《犬闘士ケルベロス》の封殺&圧殺ハウンドトリオは会場のそこここで目に掛けることができ、1つの白のフィニッシュブローが確立されたと言えます(ただし、《犬闘士ケルベロス》はシーズン制限カードに指定されたため、「グランプリ-6-」ではこの姿は一時的に見られなくなりますが)。また、それ以外でも《犬闘士ブル・マスティフ》のベース対策+大型ユニット召喚術や使ってみると意外に(?)強い《聖騎士ホーリー・ハンマー》、先に攻めれば絶対的な制圧力を持つ《ザッハトルテ》《ディスク・ジョッキー》など強力カードは枚挙に暇がありません。
もちろん、その存在1枚で4色プランを抹殺した《マスプロデュース・エンジェル》も忘れてはならないカードの1つでしょう。

4位は《流氷の大陸》が代名詞ともなった青。優秀なドローサポートで場を整えつつ、一発必中を狙うのが多く見られました。特に今回使用率が高かったカードは《魔王の三角海域》。1コストで相手にプレッシャーを与えられる上に、バトルタイミングで起動できる点が多くのデッキに採用された要因でしょう。そしてデュエル終盤、不要になった《魔王の三角海域》《シェル・フリゲート》の起動コストとして廃棄し、いきなり敵軍エリアにリリースイン。
久々に「青い=トリッキーな動きで突然死」を体現してくれるギミックが《流氷の大陸》《ギガント・エイリアン》に加えて採用されたことは決して他色のサポートではなく、むしろデッキの中核を青が裏から握っていくのだと言うことの証明に他ならないでしょう。今後も加わってくる青の新カードには注目せざるを得ません。

さて、前回の1位から一気に転落してしまった緑。しかし、これは前述の通り人気の低下を示すものではなく、選択の幅が緑以外にも広がったと言うだけの話であり、エネルギーブーストの点では他の追随を決して許してはいません。特に1ターン目の1コストベースから《魔光合成》へと繋ぐ最速ブーストは続く《スキップするフェアリー》で盤石なものとなり、最早ファンデッキの枠を超えた成績を収めている「アメーバデッキ」も新戦力《変幻獣バブルバガー》を得ていますし、単純なビートダウンでも早々に7500の巨大ユニットに成長する《タマゴ・ドリアード》と同じ緑とは言っても、容易に一くくりで語ってよいものではないほどの変革をもたらしています。

今回のシーズン制限において、赤とともに1枚も指定されなかった緑ですから、元々のポテンシャルを生かし、次のグランプリでは再び上位に返り咲くことも決して夢物語であるとは言えないでしょう。

さて、堅苦しいデータ解析編はここまでといたしまして、次回ではいけっち店長に先を越されてしまったユニークデッキのご紹介をデッキレシピの点から見ていきたいと思います。



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