ディメンション・ゼロ  グランプリ‐8‐注目の一戦レポート
文責:遊宝洞 前川勝


花粉枚散る春先の大会となったグランプリ‐8‐。グランプリツアーの全国行脚を挟んだため、メタゲームが拡散し、シーズン制限カードなしというガチンコの環境で開催されることとなった今大会のメタゲーム予測を、現在日本最強の名を欲しいままにする西のタカハシこと橋成典プロに聞いてみた。
すると、いの一番に挙げてくれたのが、自身が日本タイトルを獲得したデッキでもあるデビルクロック主体の「時計」デッキ。《悪運時計ハードラック》以外に《白骨時計ボーンスマイル》を手に入れたデビルクロックはそのユニット除去能力の高さと《貪欲時計デーモンガスト》による回収、《無限時計クライン》による手札破壊と、デッキ全体のシナジーが強化され、非常に強力なデッキとなった。その上、《スカラベマスター》の登場により、《幸せはすぐ近くにある》を始めとした「あったらいいのに」というカードが難なく投入され、安定性も格段に増している。さらに《震える時のコールドクロック》《凍える時のアイスクロック》の合成バリエーションまで派生系が存在するため、ほとんどの選手がA、Bいずれかのデッキに「時計」を仕込んでくるであろうことは容易に想像できた。よって、まずはそれに勝つための最低条件、《貪欲時計デーモンガスト》による回収システムが確立される前に殴り倒せる速効性と簡単に1対1交換を取らせないユニットの耐久性を兼ね備えること。次に、その「時計」に勝つデッキの必要要件を最も満たしやすい緑単ビート系のデッキにスピード的に劣らないデッキを、A、Bともに用意する必要があるだろうと分析してくれた。果たして、本戦はいかなるデッキが活躍したのであろうか……。

【第1回戦】   中村慎太郎   VS  松木憲之
        (グランプリ‐1‐優勝)

Aデッキ  青単闘気コントロール(中村) VS 青黒時計(松木)

 注目の一戦の初戦は誰もが知っている僕らのチャンプ、中村慎太郎プロの対戦。
  中村のデッキは《エビエージェント》を中核に、相手のユニットをコントロールしていくタイプであるのに対し、松木は《震える時のコールドクロック》《凍える時のアイスクロック》を織り交ぜた「時計」デッキで挑む。
  お互い盤面のユニットコントロールが勝敗を握るため、序盤は静かな立ち上がり。中村が《雫の魔氷ドロップス》《人面鳥の止まり木》をプレイすれば、松木は《白骨時計ボーンスマイル》《悪運時計ハードラック》、さらには《呪われた館》をプレイ。早速、プランから出てきた《震える時のコールドクロック》《呪われた館》ラインに中央投下し、中村の手札を攻撃していく。
  この流れをずるずると引きずるわけにはいかない中村はスマッシュ0の《雫の魔氷ドロップス》を敵軍エリアまで進め、《貪欲時計デーモンガスト》《凍える時のアイスクロック》を連れてくる厄介者《柔軟時計ダリ》をスマッシュに埋める。対する松木は《終末時計ジ・エンド》《雫の魔氷ドロップス》の上にプレイ。待ちの状況を盤石に持っていこうとするが、ただではやられないのがチャンプと呼ばれる所以。中村はそのプレイにスタックして、《セキュリティ・サービス》をプレイ。ダメージをスタックに乗せた後、《雫の魔氷ドロップス》を回収し、もう1枚の《雫の魔氷ドロップス》を走らせ、《白骨時計ボーンスマイル》とダメージが入った《終末時計ジ・エンド》を破壊。場を更地にすることに成功する。
  これで状況は五分に戻り、松木は2枚目の《終末時計ジ・エンド》をプレイするが、中村も《サイバー・チェイス》から《バードマン・ソウル》という黄金の流れで手札を拡充。《人面鳥の止まり木》に付けた闘気をはがし、《深淵竜翻る》も手に入れる。
  試合が動いたのは、松木のプランに《貪欲時計デーモンガスト》が見えた瞬間。松木はすぐさま《肉食時計ビッグマウス》の能力を0コストで起動し、《貪欲時計デーモンガスト》の能力を誘発。墓地のデビルクロックをすべて回収して《呪われた館》ラインに《白骨時計ボーンスマイル》を中央投下を連発。一気に中村の手札を0枚に追い込む。
  してやられた中村。残る戦力は2枚の《人面鳥の止まり木》《粉雪の魔氷パウダースノー》のみ。プランからの《センチネル・センチピード》《粉雪の魔氷パウダースノー》のスマッシュで反撃するが、無情にも松木は次のプランから《幸せはすぐ近くにある》が見えると、中村の戦力を《悪運時計ハードラック》で削り、《絶叫時計スクリームハイ》《凍える時のアイスクロック》で自軍戦力を拡充していく。
  中村は最後の頼みの綱《シェル・ドーニー》をプレイし、盤面の打開を図るが、既にコントロール権を奪われていた。《センチネル・センチピード》《悪運時計ハードラック》に潰され、敵の主力にぶつかっていく《シェル・ドーニー》も相打ちを取るのがやっとの状態。満を持して攻めてきた松木の《凍える時のアイスクロック》に2枚目の《シェル・ドーニー》をぶつける頃には、スタックで《幸せはすぐ近くにある》をプレイされ、《貪欲時計デーモンガスト》がプランに舞い戻ってデビルクロックをすべて回収。すぐさま《白骨時計ボーンスマイル》《呪われた館》ラインへの連続投下で《人面鳥の止まり木》で増強した手札も追い落とされる。逆転の目がないと悟った中村は7スマッシュ目を待たずして投了を宣言する。

Bデッキ  多色時計(中村) VS 白黒幽霊屋敷(松木)

 再びコントロールデッキ同士の対戦となったBデッキ戦。
  今度はお返しとばかりに、中村が《白骨時計ボーンスマイル》《呪われた館》をプレイし、《白骨時計ボーンスマイル》の中央投下で松木の手札を削る。一方の松木も定石パターンの合体ベースの完成を目指し、《陽気な幽霊屋敷》《陽気な墓場》をプレイしていく。
  しかし、中村の猛攻を止めるには至らない。《柔軟時計ダリ》《呪われた館》ラインに中央投下した中村は《貪欲時計デーモンガスト》をプランに呼び出し、《白骨時計ボーンスマイル》を2回投下。松木の手札を0にした上で、自らの墓地に落としてあった《ステルス・スナイパー》を山札に戻し、《貪欲時計デーモンガスト》を山の中に隠す。その後、《シルバーワイズ・ドラゴン》をプレイした中村は松木が泣く泣くプラン更新で落とした《幻影王ルドルフ》《時空を歪める者シュレーゲル》をゲームから除外。《悪運時計ハードラック》のスマッシュで窮地に追い込んでいく。
  何とか事態を打開したい松木はすべての願いを込めて全エネルギーを投入し、引き当てた《幻影王ルドルフ》をプレイするが、中村はそこで《終末時計ジ・エンド》をプレイ。パワーが上がった《悪運時計ハードラック》で王を討ち取ると、松木は力なく投了を宣言した。

 一回戦は奇しくも日本チャンプの予言どおり、時計デッキの猛威を知らしめる対戦となった。
  文字通り「時計」デッキの前では日本選手権で猛威を振るった「幽霊屋敷」さえも勝負をさせてもらえない。今大会のポイントは如何に「時計」に対応できたか、が勝負を分けたようだ。

【2回戦】    荒牧慧   VS  金岡和哉
       (4代目赤王陛下)

Aデッキ  団結コーラス・ナイト(荒牧) VS 白黒幽霊屋敷(金岡)

 2回戦目はディメンション・ゼロ界の中でも最も誉れ高き称号を保持する4代目赤王陛下。故にデッキは赤単かと思いきや、Aデッキに採用してきたのは驚きの《コーラス・ナイト》34枚投入の白団結。
  しかし、これをファンデッキと笑うなかれ。先述した通り「時計」対策には簡単に1対1交換をさせないことが重要。如何に「時計」デッキとは言え、そのほとんどの除去手段は《白骨時計ボーンスマイル》《悪運時計ハードラック》に頼っている。自軍エリアで《コーラス・ナイト》が3枚並び、プランゾーンで高らかに歌声が響けば、パワー7000のカエル軍団の完成である。これは容易に倒せるものではない。
  この荒牧の奇策、相手が「時計」ならば申し分はなかったが、生憎金岡のデッキはユニットには滅法強い「幽霊屋敷」デッキ。果敢に《コーラス・ナイト》を並べる荒牧に、天敵とも言える《レディ・ララバイ》が襲いかかり、早速自軍エリアの一角を占拠される。その後も《コーラス・ナイト》を並べてはプランからの《イビルアイ・ドライバー》に殺され、《レディ・ララバイ》に踏まれ、《雲海の牧場》で前に出ても、プランから2枚目の《イビルアイ・ドライバー》が2対1交換を持っていく……。
  わずかばかりのスマッシュを与えることには成功したカエル軍団であったが、2枚目の《レディ・ララバイ》が自軍エリアに到達する頃には、生存権すら剥奪され、静かに投了する。

Bデッキ  赤緑ビート(荒牧)  VS  黒緑時計(金岡)

 Bデッキも対「時計」を意識した赤緑ビートを採用してきた荒牧は《兎娘キューティ・バニー》《スカラベマスター》を順調にプレイ。金岡が《白骨時計ボーンスマイル》《肉食時計ビッグマウス》を用意する間に《精霊の迷い家》を2ラインにプレイし、絶対的に必要なパワーを底上げする。
  早速《スカラベマスター》《兎娘キューティ・バニー》を前進させる荒牧。《悪運時計ハードラック》《スカラベマスター》を討ち取るが、《兎娘キューティ・バニー》でスマッシュを入れる。一方の金岡はプランに見えた《冥界の門》に目をやると、《白骨時計ボーンスマイル》《兎娘キューティ・バニー》にぶつけ、《冥界の門》で同ラインに復活。《兎娘キューティ・バニー》を屠った後、《肉食時計ビッグマウス》でスマッシュを返していく。
  戦線の再構築を求められた荒牧はプランから《タマゴ・ドリアード》《バンブー・ベイビー》をプレイ。《バンブー・ベイビー》で果敢に攻めるが、金岡はここでエネルギーゾーンの《スカラベマスター》を活かし《幸せはすぐ近くにある》《貪欲時計デーモンガスト》をプランに積み、《白骨時計ボーンスマイル》でこれを迎撃する。苦しい展開を強いられる荒牧だが、続くターンで《変炎獣ゲルハーピー》をプレイした彼はそのまま《変炎獣ゲルハーピー》《ニトロ・カタパルト》で射出。隊列召喚‐ビッグアイで《ガン・ドリアード》をプレイし、金岡に3スマッシュを与える。
  しかし、ここで慌てないのが「時計」デッキの強み。荒牧の主力である《ガン・ドリアード》をいとも簡単に《白骨時計ボーンスマイル》の2連打で撃ち落とすと、荒牧が《スカラベマスター》、2枚目の《タマゴ・ドリアード》で戦線を再構築する間に《呪われた館》《無限時計クライン》をプレイ。再び《幸せはすぐ近くにある》《貪欲時計デーモンガスト》をプランに積み、万全の態勢で《無限時計クライン》が荒牧にスマッシュを与えていく。
  こうなると「時計」デッキは確実に時間と空間、そして相手の思考すら支配する。進軍と迎撃を繰り返し、お互いがスマッシュを重ねて5対5の状況に追い込まれたところで、金岡は三度《幸せはすぐ近くにある》《貪欲時計デーモンガスト》を積み、迎撃態勢に入る。これを見て、相手に自軍エリアのユニットを除去する手段がないと踏んだ荒牧は手札をすべて使い、《ヒメコガネ・ドリアード》を2枚並べ、いずれかのスマッシュで「時計」を討ちとる物量作戦を慣行する。しかし、そこは金岡の術中。最後まで握りしめていた《黙示録の光線》が最終防衛ラインであった《タマゴ・ドリアード》を撃ち、《無限時計クライン》の自軍エリアへの侵入を許したことで勝負は決した。

 1回戦同様、「時計」の強さと、その対策の重要性また対策の練り方そのものも重要視されることを証明したのがこの2回戦の戦いと言えるだろう。かみ合わせが悪くストレート負けを喫した荒牧もその後、賞金獲得に成功していることから、彼の「時計」対策は決して無駄ではなかったと言えるだろう。

【3回戦】       生田瑛二     VS  中山新一
       (グランプリ‐3‐、‐5‐優勝)

Aデッキ  白黒幽霊屋敷(生田)  VS  青黒ヘルジャッカル(中山)

 3回戦の注目は唯一の二冠王、生田。その彼がAデッキに選んだのは「幽霊屋敷」デッキである。
  まずは中山が《レディ・ラベンダー》をプレイした瞬間を狙って《失恋の痛み》をプレイし、《ハウス・オブ・ヘル》を落とす、定石ながら有効なプレイングで先制する。
  一方、あまり時間を与えたくはない中山。手札から《イビルアイ・ドライバー》をプレイし、スマッシュを入れる。その早いスマッシュに、生田は《犬闘士フェンリル》《イビルアイ・ドライバー》の眼前にプレイ。2枚目の《失恋の痛み》《サンダージャッカル》を落としつつ、《イビルアイ・ドライバー》《犬闘士フェンリル》で倒す。中山は続けて主力ユニット《ハウス・オブ・ヘル》をプレイするが、これもあっさり《因果律の抜け道》で落とされ、続く《レディ・ララバイ》も生田のプランから飛んできた《イビルアイ・ドライバー》に呪い殺される。その間にも《陽気な森》《陽気な幽霊屋敷》がセットされ、中山のタイムリミットが迫る。
  そこで中山は対「幽霊屋敷」ユニットである《絵画商人ヘロン・セロン》をプレイ。これを見た生田は前進させた《犬闘士フェンリル》でスマッシュを与え始める。
続くターン、戦線に《レディ・ラベンダー》を加えた中山はこれを前進させ、プランから《ローリング・ソーンズ》をプレイするが、その能力誘発にスタックして《陽気な幽霊屋敷》セットを完成させた生田はそのまま《陽気な幽霊屋敷》を起動。《絵画商人ヘロン・セロン》の+3000をものともせず、《レディ・ラベンダー》《ローリング・ソーンズ》を溶かした生田は《絵画商人ヘロン・セロン》のラインに《レディ・ララバイ》をプレイ。続くターンの《サイレント・ナイト》《陽気な幽霊屋敷》セットを復活させた生田は《レディ・ララバイ》《絵画商人ヘロン・セロン》を撃破。《犬闘士フェンリル》と合わせ、スマッシュを与えていく。
中山は最後の抵抗でプランからの《イビルアイ・ドライバー》《電脳魔方陣》《ドクター・スピリット》を繰り出すが、もはや生田の勢いは止まらない。プランからの《イビルアイ・ドライバー》の返礼に加え、控えていた1枚目の《イビルアイ・ドライバー》を前に出し、5スマッシュ目を叩き込む。中山はプランに答えを求めるが、苦し紛れの《石化の呪法》もスタックで起動された《陽気な幽霊屋敷》で対象不適切とされ、中山は投了を選ぶしかなかった。

Bデッキ  3色時計(生田)  VS  赤単(中山)

 Bデッキは生田も「時計」を選択。一方の中山はスピードで勝る赤単。果たして「時計」にそのスピードが通用するか、注目されるところである。
  まずは序盤の展開。生田が《白骨時計ボーンスマイル》《悪運時計ハードラック》を置けば、中山は《偵察戦鬼一眼蟲》《夜を照らす灯チュプ》を展開する。その早い動きを警戒した生田は《悪運時計ハードラック》を前進させるが、中山はこれを《ノヴァ・コマンド》で撃退。プランからの《ステルス・スナイパー》《白骨時計ボーンスマイル》も退場させ、序盤の主導権を完全に握る。
  だが、そう簡単に終わらないのがメタゲームを制するデッキの強さである。前進してきた中山の《ステルス・スナイパー》《悪運時計ハードラック》投下で処理すると、《幸せはすぐ近くにある》からの《貪欲時計デーモンガスト》《白骨時計ボーンスマイル》を連続廃棄。《偵察戦鬼一眼蟲》《夜を照らす灯チュプ》を溶かす。一気にユニットを失った中山は《マントルを漂う遺跡》を中央ラインにプレイ。同じく中央ラインにプレイしていた《ガラン・ゴロン》を前進。生田の《絶叫時計スクリームハイ》《悪運時計ハードラック》の迎撃を《湧き出る泉シンプイ》のパンプアップでしのぎ、1スマッシュを与える。
  しかし、生田のターンで再び《貪欲時計デーモンガスト》がプランに来たところで生田は《呪われた館》を併用。《悪運時計ハードラック》を投下し、手札と《ガラン・ゴロン》を墓地に送る。
  ここまで来るとさすがに「時計」に分のある時間帯。中山は2枚目の《湧き出る泉シンプイ》やプランからの《爆砕の魔炎バーン》が見えるが、生田の2枚目の《絶叫時計スクリームハイ》の方が早く攻め出し、再度《貪欲時計デーモンガスト》が見えたのを確認して《湧き出る泉シンプイ》に特攻。中山はこれを最後に握っていた《スチーム・ソウル》で迎撃するが、《白骨時計ボーンスマイル》の回転と《悪運時計ハードラック》の前進であえなく《湧き出る泉シンプイ》は双方とも撃破されてしまう。
  中山は《マントルを漂う遺跡》《マッドレース・サーキット》をプレイし、最後まで攻めの姿勢を崩さず、最後の大型ユニット《闘神シラサギ》をプレイ。さらに《夜を照らす灯チュプ》《マッドレース・サーキット》で強化して前線に、プランからの《ステルス・スナイパー》、手札破壊にスタックしての《火事場泥棒》と可能な限りの火力を打ち込むが、既に《貪欲時計デーモンガスト》でのアドバンテージを存分に得た生田の戦力を崩壊させるには至らず、じりじりとスマッシュ数で追い込まれていく。
  最後の望みのプランからの《爆砕の魔炎バーン》《マッドレース・サーキット》でパンプアップ)+《闘神シラサギ》で逆転のスマッシュを狙うが、それも《悪運時計ハードラック》に阻まれ、最後は《絶叫時計スクリームハイ》のスマッシュが中山の山札を削りきった。

 中山はAデッキに《絵画商人ヘロン・セロン》を使用したり、Bデッキに《ガラン・ゴロン》を採用するなど、「戦士たちの共鳴」で投入された新カードを使い、旧デッキに対する耐性を意識した構造になっていて大変興味深い。相性的にも決して悪いものではなく「素早く殴り勝つ」というコンセプトも一貫していたが、いかんせん生田のプレイングがそのスピードを見事に鈍らせたと言うべきだろう。伊達に二冠を制したわけではない、強者の貫録を見せつけられた試合であったと言える。

【4回戦】          原根健太        VS     石川錬
       (グランプリ‐7‐ツアー近畿大会優勝)  (グランプリ‐2‐ 4位)

Aデッキ  赤緑ニトロビート(原根)  VS  青黒時計(石川)

 いずれのプレイヤーも過去に実績を挙げた実力者だけに「時計」デッキの使い方も、その対処法も存分に研究してきたことだろう。まずは石川が《震える時のコールドクロック》を駆使して墓地を肥やしながらプランゾーンを巧みに操作すると、原根は《変炎獣ゲルハーピー》《幻惑のフェアリー》を高速で展開。石川の《終末時計ジ・エンド》が出れば、それに対抗して原根の《象砲手バルカン》がプレイされていく。
そんな中、先に動いたのは石川。プランに《貪欲時計デーモンガスト》が見えたところで《震える時のコールドクロック》を前に出し、《石化の呪法》《変炎獣ゲルハーピー》を除去。原根が《小さくて大きな力》を駆使して《象砲手バルカン》《震える時のコールドクロック》を踏み倒すと同時に、墓地に落としておいた《絶叫時計スクリームハイ》3枚を含むデビルクロックを回収する。
原根はそれにめげず、《象砲手バルカン》でスマッシュを入れるが、それもわずか1ターンで《封印》を食らい、墓地に落とされる。次の一手が要求された原根はプレイした《スカラベマスター》と移動させた《幻惑のフェアリー》で隊列召喚‐ビッグアイを決め、《ガン・ドリアード》をプレイする。対する石川は回収した《絶叫時計スクリームハイ》《幻惑のフェアリー》をつぶし、《悪運時計ハードラック》《ガン・ドリアード》を撃墜する。
まだ攻め手を緩められない。封じられた中央ラインをあきらめ、左ラインで《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》《スカラベマスター》を使い、もう一度隊列召喚‐ビッグアイからの《ガン・ドリアード》プレイを試みる。しかし、石川はそれをまったく同じの《絶叫時計スクリームハイ》《悪運時計ハードラック》で対抗。徐々に自軍のパワーを底上げし、原根を追い詰める。
ここまで来ると原根には一撃必殺を狙う他、勝ち筋はない。《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》を前に出し、プランから《ヒメコガネ・ドリアード》と2枚目の《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》をプレイした原根はそのラインに《精霊の迷い家》をプレイし、同ラインの《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》を倒しに前に出てきた《絶叫時計スクリームハイ》《兎娘キューティ・バニー》投下で撃墜すると、2枚目の《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》《終末時計ジ・エンド》を誘い出す囮に使い、最初から作戦に織り込み済みの必殺兵器を稼働させる。
それは手札からの《ガン・ドリアード》《ヒメコガネ・ドリアード》を使用した《ニトロ・カタパルト》2連発。
手札をすべて使い切り、決まれば6点スマッシュの大逆転必殺砲にすべてを賭けた原根。しかし、その願いもむなしく、パワー4500の《ヒメコガネ・ドリアード》《絶叫時計スクリームハイ》《終末時計ジ・エンド》でパワー7500まで上昇した《震える時のコールドクロック》に迎撃され、投了する。

Bデッキ  白黒幽霊屋敷  VS  赤緑ゲルボックル

 Bデッキは石川側が対「時計」デッキの一角「赤緑ゲルボックル」デッキを使用。これに原根の「幽霊屋敷」がどう戦うかに注目が集まる。
  まずは挨拶代わりの《失恋の痛み》を打ち込む原根。それで相手のデッキを把握したか、《変炎獣ゲルボックル》をもってくる《生命を育む未来》を落とし、その後も《陽気な森》《犬闘士フェンリル》を2枚と下地を固めてゆく。一方の石川は《変幻獣バブルドラゴン》を2枚、さらに《変幻獣バブルライカン》を出し、手数とパワーで圧殺にかかるが、原根のプランからの《イビルアイ・ドライバー》《変幻獣バブルライカン》を打ち砕き、テンポを奪わんとする。
  原根はその後、《陽気な墓場》をプレイするが、石川も《変幻獣バブルドリアード》をプレイ。《変幻獣バブルドラゴン》を前に出し、後方に《ブロンズキッド・ドラゴン》をプレイ。スマッシュを入れ始める。その《変幻獣バブルドラゴン》《犬闘士テリア》で迎撃し、《陽気な幽霊屋敷》セットを完成させた原根だが、石川は《ブロンズキッド・ドラゴン》で原根の墓地を食い荒らし、その最大効果を阻害する。
  何とか勝負の主導権を握りたい原根。プランからは決してベストなタイミングとは言い難い《サイレント・マジョリティ》が見える。悩みつつもこれをプレイした原根。石川はそれを意に介さず、2枚目の《変幻獣バブルドリアード》《超高速バイオコンピューター》を指定「アメーバ」でプレイし、大幅にパワーを上げる。パワーが7500まで上昇した《変幻獣バブルドラゴン》を前進させ、《犬闘士フェンリル》を叩こうとする石川に対し、原根は《陽気な幽霊屋敷》を起動。それを読んでいた石川は《変幻獣バブルライカン》をプレイするが、原根はさらにスタックし、《犬闘士テリア》《変幻獣バブルドラゴン》を迎撃する。
  だが、これで反撃手を消耗した原根は続く《変幻獣バブルドリアード》の前進は食い止められず、《犬闘士フェンリル》を1枚失うとともに2スマッシュを受ける。急ぎ戦線を復旧させたい原根は続くターンで《サイレント・ナイト》をプレイ。《陽気な幽霊屋敷》セットを復活させ、即起動。《犬闘士テリア》《犬闘士フェンリル》を回収し、《犬闘士テリア》投下で《変幻獣バブルドリアード》を討ち取る。しかし、石川のこの時のプランは《変幻獣バブルツリー》。これで石川は《変幻獣バブルライカン》のパンプアップ効果を盤石にする。こうして、残った《変幻獣バブルドリアード》が前進して《イビルアイ・ドライバー》を圧殺。次のターンで対処しても《変幻獣バブルライカン》まで手が回らないことを確信した原根はここで投了する。

日本選手権2007の時と異なり、今大会で「幽霊屋敷」は上位に行けば行くほど、目覚ましいと言えるほどの戦果をあげてはいない。これはもちろん「時計」デッキが跋扈している影響が最も大きいが、石川が採用した《変幻獣バブルドリアード》《変幻獣バブルライカン》などのパンプアップユニットが多く採用され、小型ユニットの一斉除去が難しくなったのが原因の一端と言えるだろう。
どのような最強デッキにも必ず穴は存在する。それを見抜く慧眼はデッキビルダーには欠かせないセンスであると言える。漫然と強いデッキばかりを使っている人はもう一度そのデッキを見返してみるといいだろう。

【5回戦】           家始徹         VS 松岡元輝
       (グランプリ‐7‐ツアー関東大会優勝)

Aデッキ  青緑ドラゴンパーティー(家始) VS 赤緑コロボックル(松岡)

 家始が使用する「ドラゴンパーティー」は今大会ではめっきり使用率が減った。それというのも「戦士たちの共鳴」で加わった《ガラン・ゴロン》《メロー・カード》などのお陰で、「サイクロン」しただけ損をする可能性が高まったからである。一方、松岡の赤緑コロボックルはグランプリ‐7‐ツアー環境でも強さが証明されたデッキの一角。新旧流行デッキの対決はどちらに軍配が上がるのか。
  先に動き出したのはもちろん松岡。《夜を照らす灯チュプ》《幻惑のフェアリー》《細い葉の柳シュシュ》を次々と展開する。家始は後半に勝負をかけたいため、《金獅子捕物帖》でテンポを崩そうとするが、次ターンのプランで手札に戻したはずの《幻惑のフェアリー》があっさりと登場し、目論見が外れてしまう。
  それを尻目に《ファンシーカット・アクアマリン》でエネルギーブーストを掛けた松岡はプランに《ファンシーカット・ムーンストーン》が見えると《大巨人クレーター・メーカー》を中央投下。スタックで家始が《妖魔の勇者》を同ラインにプレイすると、それにさらに対応し、《ファンシーカット・ムーンストーン》を合成し、エネルギーブースト。《マントルを漂う遺跡》をセットし、盤石の攻め込み体制を整える。
そして迎えた次の松岡のターン。松岡は再びプランに《ファンシーカット・ムーンストーン》が見えたところで《ファンシーカット・アメジスト》をプレイし、再合成。エネルギーを目いっぱいブーストしたところで、《小妖精の花園》をセットした上で《ニトロ・カタパルト》を2連発。スマッシュが強化された《ファンシーカット・ムーンストーン》《細い葉の柳シュシュ》が敵軍エリアに居座り、一撃で7点スマッシュをもぎ取った。

Bデッキ  3色時計(家始) VS 3色時計(松岡)

 ほぼ傾向が同じ時計デッキ同士の対決となったBデッキ対決。Aデッキで瞬殺を食らった家始は何とか一本取り返したいところである。
  今回も先に動いたのは《震える時のコールドクロック》を用いた松岡。移動を繰り返し、まずは墓地を肥やす。一方、家始は先にベースを整え、《呪われた館》《マントルを漂う遺跡》を敷設する。それに一歩遅れて《呪われた館》とその正面に《肉食時計ビッグマウス》をプレイした松岡を見た家始は《ステルス・スナイパー》《震える時のコールドクロック》を倒し、先制の権利をもぎ取ろうとするが、松岡は《肉食時計ビッグマウス》を起動し、手札を攻撃。2枚目の《肉食時計ビッグマウス》をプレイすると、プランから出た《貪欲時計デーモンガスト》に合わせてこれを起動。デビルクロックを回収する。
  このまま調子に乗らせたくない家始は《悪運時計ハードラック》を2枚自軍エリアにプレイし牽制の動きを見せる。対する松岡は《震える時のコールドクロック》を再びプレイ。前進してくる《悪運時計ハードラック》《スカラベマスター》を迎え撃つ。
  続くターンで《絶叫時計スクリームハイ》をプレイした松岡は《震える時のコールドクロック》を移動し、《悪運時計ハードラック》と相打ち。プランに見えた《凍える時のアイスクロック》を合成召喚する。
  これを何とか除去した家始だったが、攻め手である《スカラベマスター》は松岡のプランにまたも《貪欲時計デーモンガスト》がいる状態で《悪運時計ハードラック》と相打ちしてしまい、みすみす相手に手札を渡してしまう。これで勝負の流れが傾いたと見た松岡は《絶叫時計スクリームハイ》でスマッシュを開始。家始はこれを《悪運時計ハードラック》《白骨時計ボーンスマイル》で迎撃するが、松岡は続く攻め手《肉食時計ビッグマウス》をプレイ。その《肉食時計ビッグマウス》を家始がプランからの《イビルアイ・ドライバー》で迎撃しようとするが、ここで2枚目の《絶叫時計スクリームハイ》と、松岡の猛攻は止まらない。家始はこの《絶叫時計スクリームハイ》に2スマッシュ目を許す。
  この《絶叫時計スクリームハイ》を捨て置けなかった家始は全エネルギーと手札を使って場の一層を狙うが、松岡はそのタイミングを見計らい、3枚目の《絶叫時計スクリームハイ》《白骨時計ボーンスマイル》《肉食時計ビッグマウス》を一気にプレイし、次ターンの5点スマッシュを確定。家始はあえなく投了をすることになる。

この対戦の大技と言ったら、Aデッキの『ダブル・カタパルト』(《ニトロ・カタパルト》2連発)だろう。スマッシュが0から7になったのでは、どんなデッキも形なしである。しかし、この『ダブル・カタパルト』戦術は今大会の赤緑デッキの多くが内包しており、序盤でのスマッシュは極力与えず、この一撃必殺を狙うプレイヤーは決して少なくなかった。これは対「時計」デッキ戦などで不要なスマッシュを与えると、《貪欲時計デーモンガスト》《無限時計クライン》などを探させるリスクが上がってしまうことを危惧したプレイング。どのタイミングで何スマッシュを与えるか。そこまで考えてプレイできている人は上級者に近づいている証拠と言っていいだろう。

【賞金額決定ラウンド】  江口幸生  VS  山田朋宏

Aデッキ  黒単ビート(江口)  VS  赤黒除去(山田)

 本戦最終となる賞金額決定ラウンドは上位卓のプレイヤーを選抜。この時点で上位に名を連ねるのは「時計」の荒波を泳ぎ切った証拠。その実力の程を期待したいところである。
  まずは江口が戦端を切る《レディ・ラベンダー》を移動させ、共鳴で《懲罰の魔煙パニッシュ》を最速で呼び出す。対する山田は《有罪の魔煙ギルティ》《呪詛の魔煙カース》を展開し、《懲罰の魔煙パニッシュ》をノーコストで倒せる体制で迎え撃つ。お互いがにらみ合う中、互いのプランから《イビルアイ・ドライバー》が飛び出す。江口が《有罪の魔煙ギルティ》を撃てば、スタックで《有罪の魔煙ギルティ》《懲罰の魔煙パニッシュ》を対象に取ってバトルスペースから消し去ると同時に、山田はその《イビルアイ・ドライバー》《イビルアイ・ドライバー》で撃つ。返しのターン、江口はプランからの《絶望の連鎖》《イビルアイ・ドライバー》を除去すれば、江口は《呪詛の魔煙カース》を前進させ、《レディ・ラベンダー》を踏み倒す一進一退の攻防が繰り広げられる。
  そんな中、強引に戦局を好転させたのは江口の方だった。《琥珀童子》《ハウス・オブ・ヘル》を立て続けにプレイし、ビートダウンの態勢に移行した江口は《失恋の痛み》で山田に迎撃手がないことを確認すると、《イビルアイ・ドライバー》《ハウス・オブ・ヘル》を前進させ、3点スマッシュを入れる。
  初弾をもらった山田は《鬼哭神機ダイディーヴァ》《イビルアイ・ドライバー》を圧殺し、さらに《殺意の魔煙キラー》《ハウス・オブ・ヘル》に投下。それに合わせた、パワーが上がった《鬼哭神機ダイディーヴァ》の起動型能力での除去を狙うが、ここで攻め手を欠くわけにはいかない山田は《ハウス・オブ・ヘル》の能力を2回起動し、バトルスペースに留まらせる。結果的にこのプレイが功を奏し、江口は続くターンで《琥珀童子》を前進させ、《ハウス・オブ・ヘル》と合わせ、5点目のスマッシュを叩き込む。山田も《微笑む人形マリアン》《鬼哭神機ダイディーヴァ》で防衛線を張るが時すでに遅し。2枚目の《ハウス・オブ・ヘル》がリリースし、江口が《失恋の痛み》《冥界の通廊》を落とした上で反撃が来ないことを確認すると、そのまま敵軍エリアに突っ込み、7点目のスマッシュを叩き込んだ。

Bデッキ  赤緑コロボックル(江口)  VS  青白スマッシュロック(山田)

 お互いが「時計」デッキを選択しなかったBデッキ対決。まずは山田が《鎧闘士エビシルバー》でカードを1枚引くと、江口も負けじと《夜を照らす灯チュプ》《細い葉の柳シュシュ》をプレイ。さらに2枚目の《細い葉の柳シュシュ》を中央投下してエネルギーブーストを掛けると、《ファンシーカット・アクアマリン》《夜を照らす灯チュプ》を合成し、《ファンシーカット・ムーンストーン》を召喚。増強したエネルギーでプランから《ステルス・スナイパー》を呼び出して《鎧闘士エビシルバー》を焼き殺すと、続くターンで《ファンシーカット・ムーンストーン》を前進、後方に《カオスヘッド・ドラゴン》を配置。攻勢に打って出る。
  しかし、ここまでの動きは山田も把握済み。ほとんどのターンをエネルギーセットのみに費やしていた山田は手始めに《ファンシーカット・ムーンストーン》《悲しい再会》を打ち込み、スマッシュを未然に阻止する。これにより、《カオスヘッド・ドラゴン》の進路も塞がれた江口は中央ラインの《ステルス・スナイパー》を前に出すが、これも山田の想定内。今度は《経済戦争》《ステルス・スナイパー》を手札に戻す。仕方なく江口は2枚目の《カオスヘッド・ドラゴン》を中央ラインにプレイし、次のターンを待つ。
  だが、十重二十重に仕掛けられた山田の罠は段々と江口の首を絞めていく。プランからの《束縛の連鎖》が再び《ファンシーカット・ムーンストーン》と中央の《カオスヘッド・ドラゴン》をフリーズさせ、江口の橋頭保を封鎖する。この拘束に痺れを切らした江口は《細い葉の柳シュシュ》を前進させ、スマッシュを入れ始める。だが、一発をもらった程度では山田のペースは乱れない。《悲しい再会》で中央の《カオスヘッド・ドラゴン》を再び縛り付け、ようやく拘束が解けて前進してきた《ファンシーカット・ムーンストーン》《カオスヘッド・ドラゴン》を先ほど手札に引き込んだ《束縛の連鎖》で縛り付ける。江口は仕方なく《細い葉の柳シュシュ》を敵軍エリアまで進め、3点目となるスマッシュを入れる。
  続くターン、拘束が解けた中央の《カオスヘッド・ドラゴン》を前進させ、《ファンシーカット・アメジスト》を戦列に加えた江口。いよいよ勝負を決することができるかと思いきや、山田は《エビエージェント》をプレイ。その能力で中央の《カオスヘッド・ドラゴン》を手札に戻していく。さらに唯一スマッシュを入れていた《細い葉の柳シュシュ》《心から悲鳴が聞こえる》で拘束。このターンのスマッシュを0で切り抜ける。
  スマッシュできるスクエアが限定された江口は唯一自由に動ける《ファンシーカット・アメジスト》でスマッシュを試みるが、それも山田にとって致命傷ではないから許されていくだけ。山田の《エビエージェント》《ファンシーカット・ムーンストーン》を、《深淵竜翻る》がその後方にいた《カオスヘッド・ドラゴン》を手札に返すと、いよいよ江口は大型ユニットを展開する余裕をなくす。《ファンシーカット・アメジスト》で5点目のスマッシュを入れた江口は小型ユニットを展開。物量作戦で残りのスマッシュを稼ぎ出そうとするが、山田の隠された牙がここでついに江口の喉元に食らいつく。
  江口の山札の枚数を重々確認した山田は《エビエージェント》を前進させて闘気で山札を削った後、究極の切り札《サイレント・マジョリティ》を2連発。たった一発のスマッシュを入れることもなく、山田は勝利を勝ち取った。

 今対戦で取り上げるのはもちろん、山田のBデッキだ。結果的に1勝1敗だったため、決勝トーナメントの進出こそ逃したが、最終戦でも勝ちを拾ったこのデッキの性能は折り紙つきと言っていいだろう。
徹底的に相手のスマッシュを阻害することに注力し、唯一無二の切り札《サイレント・マジョリティ》のみを勝ち筋に据えたこのデッキは、相手に思う存分の展開を許してなお、それをすべて捌ききるプレイングを要求される。昨日今日の調整や練習では、このデッキの真価を発揮させることは難しいが、初めて相手にするデッキならば、まず策にハマってしまうだろう。今大会No.1の「地雷デッキ」はこのデッキに贈られる栄誉だ。





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