第1回 ディメンション・ゼロ グランプリ-8- 決勝トーナメントレポート
文責:遊宝洞 前川勝


ディメンション・ゼロ グランプリ-8- 決勝トーナメントレポート

 253名がしのぎを削った本選を勝ち上がり、見事決勝トーナメントへと駒を進めた精鋭8名のデュエリスト達。
  そのうち6名が「時計」デッキを携えていたことが、今回の環境を反映していると言えるが、最大勢力が常に頂点を取るわけではないのが「ディメンション・ゼロ」決勝トーナメントが織りなすドラマでもある。
  果たして今回はどのようなドラマチックな展開が待っているのであろうか……。

【1回戦】  三輪敏春 VS  高橋昌宏
      (本選第2位)  (本選第7位)

一本目 Aデッキ  赤単速攻(三輪) VS 青黒ビートダウン(高橋)

 決勝トーナメント第一回戦の注目の一戦卓は、本選第1位の石川と本選第8位の原根が、本選4回戦において戦っていた都合上、2位通過の三輪と、東のタカハシこと高橋昌宏の試合が取り上げられることとなった。
  使用するデッキはお互いが「時計」デッキの回収システムが機能しないうちに殴り倒すことを見据えた速効シフトのデッキ。特に三輪の動きは高橋のスピードを上回る。
  三輪は《闘神ゴリョウ》《フ・フーンダ》《熱砂のパヴォ》《マスター一閃ブレード》といった軽量級ユニットをバトルスペースいっぱいに展開。高橋は《スリーピング・パペット》《ハウス・オブ・ヘル》をプレイするが、いかんせん展開力では一歩劣る。その隙をつきたい三輪は《フ・フーンダ》を2歩前進させ、《スリーピング・パペット》を踏みつぶすとともに、中央エリアの《闘神ゴリョウ》とともにスマッシュ。幸先よく3点のスマッシュを食らわせる。
  対する高橋は《ハウス・オブ・ヘル》を前進させ、《闘神ゴリョウ》を圧殺。2枚目の《ハウス・オブ・ヘル》《フ・フーンダ》を踏みつぶし、反撃の態勢を整えるが、三輪はそれでも攻撃の手を緩めない。唯一埋まっていない敵軍エリアに《マスター一閃ブレード》を走らせると、迷うことなく5点目のスマッシュ。後続となる2枚目の《熱砂のパヴォ》を展開しつつ、高橋の喉元に刃を突き付ける。
  一方の高橋はこの急場を限られたエネルギーでしのがねばならない。自軍エリアの《ハウス・オブ・ヘル》を中央に動かし、共鳴で《電脳世界の冒険》をプレイ。引っ張ってきた《レディ・プラム》をさらに共鳴でプレイし、《マスター一閃ブレード》を倒す。
  これにより、三輪の進路を封鎖した高橋は窮地を脱したかに見えたが、三輪はこの事態をも想定した上でスマッシュを重ねていた。《レディ・プラム》が封鎖するラインの《熱砂のパヴォ》が移動を宣言するとともに、スタックで8000ダメージの《ノヴァ・コマンド》をぶち込み、《レディ・プラム》を焼殺。そのまま《熱砂のパヴォ》がとどめのスマッシュを叩き出し、高橋を完封した。

二本目 Bデッキ  緑黒時計(三輪) VS 赤緑ゲルボックル(高橋)

 目にも止まらぬ速攻で一本目を落とし、後がなくなった高橋は三輪の「時計」デッキに対し、対策デッキの一角である「ゲルボックル」デッキで挑む。
  まずは序盤。最軽量ユニット《変幻獣バブルチャイルド》をプレイする高橋に対し、三輪は定番の《白骨時計ボーンスマイル》をプレイ。下手に使われる前に《変幻獣バブルチャイルド》を葬りにかかるが、高橋はこの《白骨時計ボーンスマイル》の攻めを《ティラノ・エッグ》をプレイすることでしのぐ。機先を制した高橋は続くターンで《変幻獣バブルチャイルド》をサイドステップさせ、《生命を育む未来》をプレイ。《ティラノ・エッグ》のラインに《変炎獣ゲルボックル》を合成召喚。さらにプランに《変幻獣バブルツリー》が見えたところで《変幻獣バブルチャイルド》の能力を起動し、エネルギーブーストを仕掛けていく。一方の三輪はプランに1枚目の《貪欲時計デーモンガスト》が見えるとそつなく《白骨時計ボーンスマイル》を廃棄し、手札を増強。次のターンに手札にきた《貪欲時計デーモンガスト》をエネルギーに埋め込む。
  まだまだ快調なプレイングを見せる高橋は2枚目、3枚目の《変幻獣バブルチャイルド》を展開。さらにはプランからの《ステルス・スナイパー》で三輪の《白骨時計ボーンスマイル》を退場させる。しかし、三輪も黙ってやられているばかりではない。キーカードの一つ《呪われた館》をセットすると、同ライン上に《悪運時計ハードラック》をプレイ。高橋の攻めを牽制する。
  そろそろ「時計」デッキの針が動き出すことを察知した高橋は、勝敗を分かつ分水嶺が近いことを察知。《ステルス・スナイパー》を一歩前進させ、プランから《変幻獣バブルツリー》が再び見えると、2枚の《変幻獣バブルチャイルド》を廃棄し、最終のエネルギーブーストを仕掛け、《幸せはすぐ近くにある》《変幻獣バブルドリアード》をプランに積んでプレイ。三輪が2枚目の《悪運時計ハードラック》をプレイする間に、先制の1スマッシュを与える。
  しかし、三輪にとっては既に十分すぎる時間をもらっていたと言うのが実際のところ。手始めに《呪われた館》ラインで《悪運時計ハードラック》《ステルス・スナイパー》と相打ちし、手札を1枚削ると、攻めに転じた高橋の《変炎獣ゲルボックル》《真夜中のダンスパーティー》で除去。プランから急襲してきた《爆砕の魔炎バーン》《白骨時計ボーンスマイル》を迎撃に向かわせてあっさり除去。高橋は虎の子《変幻獣バブルドリアード》を前に出すも、《因果律の抜け道》がこれを粉砕。後続の攻め手として展開された《変炎獣ゲルハーピー》《悪運時計ハードラック》にあっさりと打ち取られた。
  万全とも言える「時計」デッキの防御力の前に攻め手を失いつつある高橋は《ティラノ・エッグ》を変形。《幸せはすぐ近くにある》をプレイし、《爆砕の魔炎バーン》を呼び出し、物量作戦で三輪の首を取りにかかるが、またも《因果律の抜け道》《爆砕の魔炎バーン》が除去され、致命傷を与えるに至らない。
  これを受けた三輪はいよいよ《幸せはすぐ近くにある》《貪欲時計デーモンガスト》をプランに積み、墓地のデビルクロックを全回収する。これに対応して高橋も《幸せはすぐ近くにある》で三度《爆砕の魔炎バーン》を降臨させるが、《絶叫時計スクリームハイ》《白骨時計ボーンスマイル》の合わせ技で《ティラノ・エッグ》ともども墓地へ送られる。その後も、勝負を捨てずに《変炎獣ゲルボックル》の合成やプランからの《ステルス・スナイパー》で抵抗する高橋だったが、中盤のエネルギーブーストの影響で山札がつき、攻め手を失った時点で投了を宣言せざるを得なかった。

 双方とも、過去の大会で実績を残す実力派プレイヤーであるため、実に白熱した戦いぶりを見せてくれた。敗れこそはしたものの、高橋の「ゲルボックル」デッキも、主力をあっさりと撃墜されなければ、十分に「時計」デッキと渡り合えたところであろうが、一本目をスパッと持っていった三輪の勢いがそれを許さなかったと言うことだろう。
  ここ一番の勝負所では、理屈や相性以前に勢いそのものが勝敗を左右することも大いにあり得る。そういう意味ではリスクの高い赤単をAデッキに据えた三輪の度胸にも拍手を送りたい。

【準決勝】  入江裕太  VS  原根健太
      (本選第4位) (本選第8位)

一本目 Aデッキ  青黒時計(入江) VS  赤緑ニトロビート(原根)

 準決勝は1回戦で見事本選の借りを返した原根とグランプリ‐3‐以来のベスト8となる入江の対戦。Aデッキに「時計」デッキを持ってきた入江に、原根が如何にしてその牙城を突き崩すかが注目される一戦だ。
  まず先に動くのは原根。《スカラベマスター》をエネルギーに置いた原根は《兎娘キューティ・バニー》をプレイ。早速前に出る。それに対し、《無限時計クライン》で進路を封鎖した入江。だが、原根はそれでも足を止めず、《兎娘キューティ・バニー》をサイドステップさせると、移動スタックで《ヒメコガネ・ドリアード》を隊列召喚‐スモールアイでプレイ。さらに隊列召喚‐ビッグアイで《ガン・ドリアード》をプレイ。さらには《精霊の迷い家》を同ラインにセットし、完全なビート体制をとる。あまりのスピードに《絶叫時計スクリームハイ》をプレイするのがやっとの入江に一気に4点スマッシュを食らわせた原根は、2体目の《絶叫時計スクリームハイ》《悪運時計ハードラック》によって、《兎娘キューティ・バニー》《ガン・ドリアード》を失うものの、プランから《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》、続けて《ステルス・スナイパー》をプレイして入江のユニットを除去。さらには入江のプラン更新にスタックして《バードマン・ソウル》を放つことでエネルギーを浪費させ、《無限時計クライン》が牽制のために前に出てくればこれを手札からの《象砲手バルカン》で迎撃。返しのターンで《ヒメコガネ・ドリアード》《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》《ステルス・スナイパー》を前進させると、入江の最後の抵抗《石化の呪法》による《ヒメコガネ・ドリアード》の除去も、先ほど《象砲手バルカン》を投下したことで浮かせた1エネルギーで《小さくて大きな力》をプレイ。敵軍エリアまで一方のユニットを押し込むことでスマッシュを補い、「時計」デッキに快勝する。

二本目 Bデッキ  赤緑コロボックル(入江) VS  白黒幽霊屋敷(原根)

 後のなくなった入江は、今度は素早く動くことができるコロボックルデッキを使用。原根の「幽霊屋敷」がそのスピードに対抗できるかが勝負の分かれ目となってくるであろう。
  まず入江は原根の《失恋の痛み》を食らいながらも、《夜を照らす灯チュプ》《ファンシーカット・アメジスト》《幻惑のフェアリー》を順次プレイしていく。一方の原根は《陽気な森》をセットしつつ、中央ラインに《レディ・ララバイ》をプレイ。このまま敵軍エリアまで突っ込めば、入江の軍勢は全滅する。
  その目論見に当然気付いている入江は《夜を照らす灯チュプ》《幻惑のフェアリー》を失いながらも、中央ラインの《ファンシーカット・アメジスト》の後方に《小妖精の花園》をプレイ。天敵《レディ・ララバイ》を返り討ちにすると、2枚目の《夜を照らす灯チュプ》《幻惑のフェアリー》をプレイし、戦線を復旧させる。
  前線の瓦解に失敗した原根は仕方なく定石の《犬闘士フェンリル》をプレイし、ペースを取り戻そうとするが、流れそのものは入江に傾いている。《ファンシーカット・アメジスト》を前進、後方に《妖魔の勇者》をプレイして1スマッシュを加えたところで、入江はプランにある《ファンシーカット・ムーンストーン》を合成召喚。さらに続くターンでプランに再び《ファンシーカット・ムーンストーン》が見えると、《ファンシーカット・アメジスト》《妖魔の勇者》を前進。原根が苦し紛れに《ナイトベア》《ファンシーカット・ムーンストーン》を対象にプレイすると、入江は手札から2枚目の《ファンシーカット・アメジスト》をプレイし、《ファンシーカット・ムーンストーン》を再度合成召喚。戦列に一切の損害を被ることなく、4点目のスマッシュを決める。
  ここまで来るともはや入江のペース。原根は何とか《陽気な墓場》《陽気な幽霊屋敷》をプレイすることには成功するが、入江は「幽霊屋敷」対策ユニット《晴天のシリピリカ》をプレイ。敵軍エリアまで踏み入った《ファンシーカット・アメジスト》、前進してきた《ファンシーカット・ムーンストーン》を原根が懸命に《ペガサス・ポニー》でフリーズするも、《晴天のシリピリカ》《犬闘士フェンリル》が敗れ、《妖魔の勇者》と合わせてとどめのスマッシュが決められ、勝敗は三本目に委ねられることとなる。

三本目 Bデッキ  赤緑コロボックル(入江) VS Aデッキ 赤緑ニトロビート(原根)

 三本目はお互いが時間の掛からない赤緑を選択。ここはビートダウンに絶対の自信を持つ原根の選択に、「時計」デッキでは勝ち目がないと踏んだ入江が仕方なくBデッキを選択したと言ってもいいだろう。
  まずは両者が《幻惑のフェアリー》をプレイするところから始まった対戦は原根が手札から《象砲手バルカン》をプレイすることで動き出す。迷わず《象砲手バルカン》を前に出した原根は、入江が《細い葉の柳シュシュ》《妖魔の勇者》と言った地盤固めを行うのを尻目に後続の《兎娘キューティ・バニー》を出したところで先制の1スマッシュを加える。
  対する入江は得意のエネルギーブーストで挽回したい所。《夜を照らす灯チュプ》《ファンシーカット・アメジスト》をぶつけ、エネルギーブーストした上で、プランからの《ファンシーカット・ムーンストーン》の合成召喚を狙うが、これはあえなく原根の《バードマン・ソウル》によって阻止される。
  この一手で優劣がハッキリ分かれた両者。原根は《精霊の迷い家》《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》をプレイし、《兎娘キューティ・バニー》を前進させていく中、入江は何とか《幸せはすぐ近くにある》《ファンシーカット・ムーンストーン》を合成召喚。さらに《ファンシーカット・アメジスト》で自軍エリアを埋めて防御線を張る。
  しかし、それも原根の前には無力だった。《ニトロ・カタパルト》《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》を射出すると、《幻惑のフェアリー》《バーサーカー・ドラッグ》で強化。《ファンシーカット・アメジスト》を圧殺し、先に前進していた《兎娘キューティ・バニー》とともに一挙6点スマッシュ。豪快な一撃の下に、原根は決勝への切符を獲得する。

 Aデッキに関しては絶対的な自信を持っていたと言う原根。事実、この試合においても彼は2パターンの方法で入江のデッキを粉砕している。圧倒的な練習量がとっさの判断力を養い、何パターンもの勝利への最善手を教えてくれているのだ。デッキの構築力以上に、プレイングの技量が求められる「ディメンション・ゼロ」。その勝利への近道は地道な練習を積み重ねることなのかも知れない。






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