第2回 ディメンション・ゼロ グランプリ-8- 決勝トーナメントレポート
文責:遊宝洞 前川勝


ディメンション・ゼロ グランプリ-8- 決勝トーナメントレポート

【3位決定戦】  入江祐太  VS  三輪敏春
        (本選第4位)  (本選第2位)

一本目 Aデッキ 青黒時計(入江) VS 赤単速攻(三輪)

 3位決定戦は奇しくも既に紹介済みの二人の対決となった。お互いAデッキとBデッキの相性がかみ合っているため、三本目までもつれ込むことも充分に考えられる対戦であるが……。
  まずは早さが命の三輪が速攻で《闘神ゴリョウ》をプレイ。プランから《熱砂のパヴォ》が見えると、これを《闘神ゴリョウ》の後方に隊列召喚‐スモールアイでこれをプレイする。対する入江は《震える時のコールドクロック》をプレイ。移動を繰り返し、墓地を肥やしてゆく。
  その序盤の攻防に終止符を打ったのは三輪。《闘神ゴリョウ》《石化の呪法》で失った三輪は《マントルを漂う遺跡》を中央ラインにプレイ。《熱砂のパヴォ》がそのラインを前進し、入江の墓地をゲームから除外し始める。
  入江はたまらず1枚目の《熱砂のパヴォ》《白骨時計ボーンスマイル》で迎撃するが、三輪はスタックで隊列召喚‐スモールアイ《熱砂のパヴォ》2枚目をプレイし、《震える時のコールドクロック》を倒すとともに墓地のデビルクロックをすべてゲームから除外する。
  《貪欲時計デーモンガスト》の回収効果が期待できなくなった入江はパワーで押し切るため、《絶叫時計スクリームハイ》を2枚プレイ。サイズ差で三輪を圧倒しにかかる。
  しかし、三輪も伊達に決勝にあがってきたわけではない。《闘神ゴリョウ》の暴走でスマッシュを食らうものの、《闘神ゴリョウ》《マスター一閃ブレード》をプレイすると、《マスター一閃ブレード》の移動スタック《ノヴァ・コマンド》で1枚目の《絶叫時計スクリームハイ》を破壊すると、共鳴の《カリスマ》で2枚目を焼殺。《マスター一閃ブレード》《肉食時計ビッグマウス》の投下によって失うが、続けてプレイした《フ・フーンダ》《熱砂のパヴォ》《闘神ゴリョウ》が一気に4点スマッシュを決める。
  入江は《終末時計ジ・エンド》《白骨時計ボーンスマイル》《闘神ゴリョウ》《熱砂のパヴォ》を倒すが、三輪は攻め手を休めない。《魔甲バイク餓狼》をプレイし、2点目のスマッシュを食らいながらも、《フ・フーンダ》《魔甲バイク餓狼》を前に出し、さらに共鳴で《陽紅の魔炎プロミネンス》をプレイ。《フ・フーンダ》《石化の呪法》で失ったものの、入江を追い詰める6点目のスマッシュを叩き込む。
  追い詰められた入江。しかし、今の攻勢で三輪の手札は尽き、絶好の反撃のチャンスでもある。入江はプランからの《悪運時計ハードラック》《魔甲バイク餓狼》を、《終末時計ジ・エンド》の前進で《陽紅の魔炎プロミネンス》を踏みつぶし、3点目のスマッシュを入れ返す。
  返しのターン、三輪は《陽紅の魔炎プロミネンス》の効果で同カードを手札に加えている。後はどのタイミングでこれをプレイするか……。そのために三輪は唯一中央に出てきている《終末時計ジ・エンド》《マスター一閃ブレード》《魔甲ファイター隼》で叩き潰す。
  だが、このタイミングこそ入江が待ちに待っていた勝機。《陽紅の魔炎プロミネンス》をプレイするためのエネルギーが枯渇したことを確認した入江はここで《貪欲時計デーモンガスト》《白骨時計ボーンスマイル》をプレイ。両者を一気に敵軍エリアへ押し込むことで4スマッシュを決め、逆転勝利で一本目を制する。

二本目 Bデッキ 赤緑コロボックル(入江) VS 緑黒時計(三輪)

 一本目を《貪欲時計デーモンガスト》のプレイという思わぬ力技によって持っていかれた三輪。少なくとも自分が「時計」デッキを使用するBデッキ戦では星を五分に戻したい所。そのためには何よりも「時計」デッキが得意とする時間帯までデュエルをコントロールする必要がある。
  そのため、三輪は入江の《幻惑のフェアリー》のプレイに即時対応。《悪運時計ハードラック》をぶつけて入江の足を止めにかかり、《呪われた館》をプレイする。対する入江は出足こそくじかれたものの、序盤の展開力にはさすがに分がある。《ファンシーカット・アクアマリン》、2枚目の《幻惑のフェアリー》を場に出すと、《ファンシーカット・ムーンストーン》を合成召喚。プランから《マントルを漂う遺跡》《夜を照らす灯チュプ》をプレイし、盤面の優位を確定する。その後も三輪が《終末時計ジ・エンド》《白骨時計ボーンスマイル》をプレイする間に《夜を照らす灯チュプ》を前進させ、その後方に《妖魔の勇者》をプレイする盤石のプレイで先制のスマッシュを与える。
  しかし、三輪も黙ってそれを許したわけではない。《幸せはすぐ近くにある》《貪欲時計デーモンガスト》をプランに乗せ、《呪われた館》ラインに《白骨時計ボーンスマイル》を投下し、入江の手札を削っていく。それでも攻め手を緩めることはしない入江。《ファンシーカット・ムーンストーン》を前線に上げ、4点目のスマッシュを叩き込む。
  そろそろ看過できないダメージ量になってきた三輪はプランから《真夜中のダンスパーティー》《ファンシーカット・ムーンストーン》に叩きこむが、入江はここで必殺の回避テクニックを披露。《幸せはすぐ近くにある》《ファンシーカット・ムーンストーン》をプランに積み、《細い葉の柳シュシュ》をプレイ。スタックで合成することで《真夜中のダンスパーティー》の無力化を狙ったのである。だからと言って、ここで簡単にかわされるわけにはいかない三輪。《真夜中のダンスパーティー》を諦め、手札に抱えていた虎の子の《因果律の抜け道》《ファンシーカット・ムーンスト−ン》にプレイする。しかし、入江の防御網はそのさらに上。手札に抱えていた《マントルを漂う遺跡》をスタックでプレイし、《因果律の抜け道》を無効化する。
  この攻防で除去手段とエネルギーを失った三輪は、「時計」デッキの真価を発揮する前にはかなくも散った。

 手に汗握る攻防で観客を沸かせてくれた3位決定戦。特にBデッキ戦のラストターンの攻防は「ディメンション・ゼロ」ならではの白熱した攻防となった。三輪も「想定していなかった」と言う合成による除去回避などの手段は日々の研究によって初めて見いだされるもの。合成をただの合体技と侮るなかれ。時には勝負を分かつ究極のトリックにもなるのだ。過去のカードと組み合わせ、カードの最大限の効果を引き出す。これぞデュエリスト冥利に尽きる瞬間であると言えるだろう。

【決勝戦】  原根健太 VS 寺田拓朗
      (本選第8位) (本選第6位)

一本目 Aデッキ  赤緑ニトロビート(原根) VS 青黒時計(寺田)

 決勝は第8位から這い上がってきた原根とグランプリ‐4‐以来の決勝の舞台に立ち、生田瑛二に続く二冠王のタイトルを狙う寺田の決戦。原根の3度目の正直か、グランプリ王者としての寺田の意地が勝つか。注目の一戦である。
  まず先に動くのは早さと破壊力が命の原根。《幻惑のフェアリー》《変炎獣ゲルハーピー》を展開し、戦線を構築し始める。一方、自分のペースに引き込みたい寺田は《肉食時計ビッグマウス》をプレイ。プランに《貪欲時計デーモンガスト》が見えると、《肉食時計ビッグマウス》《幻惑のフェアリー》にぶつけ、アドバンテージを稼いでいく。
  これで怯んでは相手の思うつぼ。原根はその程度の損害には目もくれず、《スカラベマスター》に2枚目の《変炎獣ゲルハーピー》《幻惑のフェアリー》をプレイ。リリースしたユニットを順次前に出し、スマッシュを狙うが、寺田は《濃霧の魔氷フォッグ》《柔軟時計ダリ》で迎撃。原根は《柔軟時計ダリ》の迎撃こそ《精霊の迷い家》のパンプアップ効果でしのいだものの、《凍える時のアイスクロック》の合成を許し、ユニットパワーでは寺田が優位を築き始める。
  原根の《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》のプレイ、《スカラベマスター》の前進に対応し、寺田は《肉食時計ビッグマウス》《絶叫時計スクリームハイ》のコンビでこれを迎撃。原根の2枚目の《精霊の迷い家》プレイを挟んでのプランからの《ステルス・スナイパー》に対し、寺田はスタックで2枚目の《絶叫時計スクリームハイ》をプレイする決勝戦にふさわしい激しい攻防が繰り広げられる。しかし、このプレイを寺田のファインプレイにするわけにはいかない原根は《変炎獣ゲルハーピー》でダメージを与えた《絶叫時計スクリームハイ》と相打ちを取ると、《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》で1スマッシュを与える。これに対し、寺田は《凍える時のアイスクロック》2枚目の合成に成功させ、いつでも逆転可能な場を形成。一手一手の攻め手に緊張感がほとばしる。
  原根の次の動きはプランからの《ステルス・スナイパー》。もちろん狙うは《絶叫時計スクリームハイ》だ。対してユニットパワーを底上げする切り札をこのまま失うわけにはいかない寺田。まだ余裕があるとみてスタックで《柔軟時計ダリ》をプレイ。《貪欲時計デーモンガスト》をプランに積み、焼かれた《絶叫時計スクリームハイ》を含むデビルクロックをすべて回収する。
  しかし、この一瞬の寺田の気の緩みが原根の真の狙い。迎撃用のエネルギーが尽きた寺田の場を確認すると、原根は《ニトロ・カタパルト》を2連発。一撃必殺の『ダブル・カタパルト』で一気に6点スマッシュを奪い去り、先勝する。

二本目 Bデッキ 白黒幽霊屋敷(原根) VS  赤緑ニトロビート(寺田)

 デッキの性質を丸々入れ替えての二本目。わずかな油断をまさかの《ニトロ・カタパルト》で持っていかれた寺田としては一矢報いたいところである。だが、「幽霊屋敷」デッキも序盤に動かないわけではない。
  寺田が《兎娘キューティ・バニー》をプレイすると、挨拶代わりの《失恋の痛み》を打ち込み、《精霊の迷い家》が出れば、《陽気な森》のプレイで応じた後、お約束の《犬闘士フェンリル》をプレイ。「時計」デッキにはないこのユニットが、《ニトロ・カタパルト》を封じ、原根を守る。
  これにより、徹底的に攻めに行くしかない寺田は《兎娘キューティ・バニー》を前進させると、共鳴で《朝露を飲むフェアリー》をプレイ。《因果律の抜け道》《朝露を飲むフェアリー》が撃破されると、《変炎獣ゲルハーピー》《象砲手バルカン》2枚を一気にプレイして、プレッシャーを高めていく。
  一方、ここをしのぎたい原根はプランからの《イビルアイ・ドライバー》《象砲手バルカン》を1枚屠ると、《陽気な墓場》《陽気な幽霊屋敷》を立て続けにプレイし、《陽気な幽霊屋敷》セットを完成。寺田が《幻惑のフェアリー》《変炎獣ゲルハーピー》《象砲手バルカン》を中央エリアに押し上げ、3点スマッシュを入れたところで《陽気な幽霊屋敷》を起動。《精霊の迷い家》で守られた《象砲手バルカン》以外のほとんどのユニットを吹き飛ばす。さらには《神々の雷》《精霊の迷い家》を破壊し、寺田の場をずたずたにした原根。寺田はわずかな希望を秘めてスマッシュを入れ続けるが、原根は《サイレント・ナイト》《陽気な幽霊屋敷》セットを復活。態勢を万全にした原根はプランに回答を求め続けた寺田の山札に《サイレント・マジョリティ》を打ち込み、息の根を止めた。

 お互い実力は折り紙つきの両者。どちらが優勝したとしても決して不思議ではなかったが、今大会では本選4回戦で2敗を喫し、8位通過と言うぎりぎりの綱渡りから這い上がってきた原根の執念が一歩上をいったと言うところだろうか。いずれにせよ、「最大シェアを誇るデッキは優勝できない」と言うグランプリのジンクス通り、見事にメタゲームを打ち破った原根には大きな拍手を送りたい。






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