ディメンション・ゼロ グランプリ-1- レポート
遊宝洞 中村聡
3. 本戦で見かけたユニークなデッキ
 会場の4割を1種類のデッキが席巻する限られたカードプールの大会ではありましたが、もちろん中にはオリジナリティにあふれたデッキも存在しました。例を挙げれば、黒単色で多彩なサキュバスを投入したお色気自慢の「悩殺マイナス修正」デッキ(堀越亘さん)、5色の移動コスト1のユニットを満載した「ファイブカラー・ウイニー」(柴田亮輔さん)、黒緑の「クレーター・ミュラー」に見せかけてシャボン玉経由で歌劇場とホリプパをタッチした「タッチホリプパオンステージ・クレーターミュラー」(渋谷英一さん)などなどなど。誇りと漢気にあふれたデッキ登録シートを前に、涙で前が見えなくなりそうでした(デッキ名は中村が勝手につけさせていただいております)。プレイヤーとして常にローグ(はぐれ者)・デッキを追求してきた者の一人として、茨の道とは知りつつもその道を行く勇者たちを心から応援いたします。

 その中でも特に完成度・コンセプトともに美しいオリジナル・デッキをご紹介しましょう。全ての「門」を9枚フル搭載し、緑単色のデッキ構成から突然飛び出す「ボンガ・ボンガ」が勝負を決める、噂の「ナインゲート・ボンガ」デッキです。

[メインデッキ]
3 シャボン玉のフェアリー
3 兎娘キューティ・バニー
3 虹に乗るフェアリー
3 カオスビースト・スキュラ
3 象砲手バルカン
3 カオスビースト・マンティコア
2 花冠のフェアリー
3 ボンガ・ボンガ
3 魔獣王ティラノギア
2 密林の孤城
3 誕生の宴
3 生命の門
3 冥界の門
3 天国の門

[サイドボード]
3 大巨人コスモクエイク
3 カオスビースト・ゲンブ
3 大巨人クレーター・メーカー
1 密林の孤城

 デッキの基本構成はエネルギー加速重視の緑単色デッキ。重視といっても生半可な重視ではなく、「宴」・「バルカン」は当たり前、クレーターを掘るくらいなら虹に乗り、ゲンブを呼ぶくらいなら花冠をかぶるという徹底っぷり。第1弾環境でエネルギーやスマッシュを増やせるカードで入っていないのは「苦痛に満ちた進化」くらいではないでしょうか。

 エネルギー加速を重視している関係で比較的小型とはいえ、そこは緑単色。豊富なエネルギーと優秀なユニットを展開して、序中盤は優位に盤面を支配してスマッシュを稼ぐことが可能でしょう。そしてエネルギーが並び、ある程度相手を追い詰めたら9つの門が火を噴きます。トップ・プレイヤーで門を警戒していない人はいないでしょうが、次から次へと門が連打されるなんてことは想定範囲外のはず。しかも、緑単色から赤いエネルギーが2つ必要な「ボンガ・ボンガ」がかっとんできたら間違いなくびっくりですよ。ちなみに一番フィニッシャーとして活躍したのは「シャボン玉のフェアリー」だったとか。このデッキにとって、1エネルギー・1移動コストはそれだけで価値があると。

 ありあまる奇襲効果を存分に生かしてこのデッキはきっちりマネー・フィニッシュに成功しています。逆にネタがばれてしまった2戦目にずいぶん苦労をなさってベスト8クラスの大活躍というわけにはいかなったのは仕方がないところかもしれません。とにもかくにも、『誰が何といおうとボンガ・ボンガ」で戦ってみせる』、そんな作者の愛と執念が匂い立つようなこのデッキ。間違いなくグランプリ1で最も輝いていたデッキのひとつでしょう。

 エキスパンション1の追加でカード・プールは一気に1.5倍にふくれあがります。グランプリ2でも素晴らしいローグ・デッキに出会えることを期待しています。次回は、グランプリ1で私が取材していただいた対戦からいくつかピックアップして、簡単な対戦レポートを書かせていただく予定です。お楽しみに。



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